大和ハウス工業総合技術研究所

大和ハウス工業総合技術研究所

大和ハウス工業総合技術研究所

大和ハウス工業総合技術研究所

大和ハウス工業総合技術研究所を見学に行ってきました。弱小な設計事務所を営む身としては、敵陣視察。(相手にされてない、と言う話もありますが。。。)

敵陣に着いて、まず案内されたのはシアタールーム。大和ハウス創業者である石橋信夫氏の功績を紹介する20分ほどの映像を拝見。これまで全く知りませんでしたが、軽量鉄骨やプレハブの基礎を築いたのは大和ハウスだったのですね。1950年大型台風によって関東の家屋は甚大な被害を受けました。しかし竹林の竹が倒れていない事に着目し、鉄パイプによる工業化パイプハウス「大和式組立パイプハウス」を考案したのが始まりだそうです。

併設されているミュージアムにその「パイプハウス」が展示されていました。運動会で見る様なパイプ式テントのテントの替わりにトタン板を貼ったような雰囲気です。ギミックな感じで個人的にはかなりインパクトを受けました(結構カッチョよい)。展示室に奇麗に展示されているので貧相な印象は受けませんが、今となると野原に建っていれば物置小屋ぐらいにしか見えないかもしれませんね。展示のものは状態の良い現存品を移築したものと思われ、へこみや傷跡が生々しく感じます。しかしシルバーの金属板で囲まれた外観は、現代的な印象も無くはありません。子供の頃なら是が非でも基地にしたい感じです。

そしてパイプハウスの販売から4年後、勉強部屋の無い子供たちのためにと開発されたのが、3時間で建てられるという軽量鉄骨による「ミゼットハウス」。デパートで展開されるという販売戦略で瞬く間にブームとなったそうです。「ミゼット」と言えばダイハツの三輪自動車を思い出しますが、ちょうど同じころです。今だと仮設の現場小屋の印象ですが、庭先にこうした小さな小屋が建ててもらえるのは、当時の子供にとっては夢のような事かもしれません。僕自身からすれば、勉強せずにスム部屋かもしれませんが。。。

この後この軽量鉄骨造の技術で住宅建築へ発展していきます。その過程で映し出される映像に懐かしさを感じました。丁度小学校低学年のころ、3〜4年間だけ住んでいた父親の会社の社宅が庭付き平屋の団地だったのですが、映し出される住宅群の様子にとても似ていました。もしかして自分自身大和ハウスに住んでいたのだろうか?と気になっています。
そして映像は、大型建築物、リゾート開発などへも発展して行く様子を描き出し現代に至っていきました。

シアターを出た後は、世界の住宅を模型で展示したミュージアムや石橋信夫記念館など併設される施設を案内されました。

その中のテクニカルギャラリーというコーナーでは、大和ハウスが現代の住宅や建築に生かしている技術を紹介しています。敵陣視察としてはもっとも気になるコーナーです。
まず、耐震構造と免震構造の違い体験をしました。地震体感装置のようなものです。機械の上に設置されたステージが淡路神戸大震災の揺れを再現するようになっています。
まずは耐震構造(地震の力を受けても壊れない頑丈な構造)での揺れを再現。係りの方の指示に従って手すりを握っていましたが、思った以上に揺すられ手すり無しに立てる状態ではありませんでした。 淡路神戸大震災は西宮で実体験しているのですが、その時間は寝ているところを起こされた次第で揺れを立った状態で体験した訳ではありません。起きて体験していれば、このぐらいの揺れを直に感じたのだろうと確かに思えます。
その次に免震構造(地震の力を受け流す構造)での揺れの体験。ステージ下の機械は先と同じ様に動いているのが分かりますが、揺れの伝達はかなり軽減され普通に行動出来る程度になっていました。原理は単純で鉄のボールをお皿2枚で挟んでいるだけですが、急速な衝撃を感じる事はありませんでした。斜めの傾きがない水上のボートに立っているような感覚でした。お皿は微妙な窪みになっていて、揺れが収まると定位置に戻るのだそうです。

その他、断熱構造や遮音構造、交通振動の軽減体感コーナーなどを廻りました。

最後に、研究棟を拝見。実大の熱環境試験室や各種の試験装置の設置された格納庫のような大型の施設です。実際の実験の様子などを見る事ができると良かったのですが、設置されている様子を見学する事が出来ただけでした。実験棟の中の様子も写真に少し撮ってはいるのですが、撮影禁止のマークもあった事なのでここでは加工写真でご容赦のほど。大和ハウス工業総合技術研究所のサイトにいくらか紹介されているので、そちらをご覧下さい。

見学を終え、ひとつひとつの技術は敢えて目新しいと言うものがあった訳ではありません。(本当はあるかも。。。)それよりも、メーカーという巨大企業の強みで実験や検証を繰り返し可能な限り不備の無い安全な商品を世に送り出す。当たり前に思えるそれらを、これだけの施設を使ってきっちりやれる事がやはりスゴい事かも知れないと感じました。個人の設計事務所にはとても太刀打出来ない所です。反面一律的、標準的なものにならざるを得ないでしょうし、中には過剰とも思えなくも無い配慮(あくまで個人的に)になっている様にも思えてなりません。それが、社会の要請なのかもしれませんが。。。
とは言え、全く参考にならなかった訳ではむろんなく、小さな積み重ねで少しでもより良い住まいを作りたい願いはメーカーも個人設計事務所も同じです。ここで勉強になった事はこそこそっとこれからの設計に忍ばせて、巨大な敵に立ち向かいたいと思います。(相手にされない、と言う話ですが。。。)

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