セミナー「お茶室の壁の作り方」

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ラス下地・・・本文の内容とは違いますが。。。

 

今日のお昼、竹中大工道具館の「技と心」セミナーに行ってきました。
「お茶室の壁の作り方」と題された学芸員の方の講座なので、歴史や様式的な話が中心だろうと勝手に思いながらいたのですが、話が始まってみるとむしろ仕様や技巧のずいぶん実践的かつ専門的な話を聞く事が出来ました。先の数寄屋展で協力もされている京都の左官屋さんから聞かれた話を元に学芸員さんが解釈を交え、土壁(特に茶室の壁)の技術・技法や、左官と言う仕事の奥深さの一端を垣間見る事が出来たように思います。

左官と言えばすぐに思い出すのは鏝(コテ)ですが、その種類は1000を越すとも言われているそうです。曲がりの角や壁の出角に平たいコテでなく、折り曲がったコテや現場に合わせた半円のコテを用意されるくらいの事は知っていましたが、一般的に平にだけ思っていたコテには、ゆるりと膨らんだり凹んだりしているコテがある事は認識していませんでした。下塗り、中塗り、上塗りと言った工程またその工程内でもコテは使い分けれられているのです。接する面の違いでべた〜と塗るためのコテ、繊細に面の凹凸を感じ取りながら細筆を引くように使うコテ。そうです、コテは絵筆と全く変わらない。

話は変わりますが、現存する茶室は数多くあります。僕でも多少は見学に行きます。その折、薄汚れたというべきか味があると言うべきかは別として、古びた壁を見ながらう〜んイイものを観た。とたびたび感慨に浸っていたのですが、建設当初の土壁と言うのは実はほぼ全くないのだそうです。土壁の持ちというのは、つなぎの糊が入ったもので6〜20年、入っていないもので50年ほどとの話。しかも間が開くものだから師弟間での技術の伝承が難しく、復元はその都度改めて考えながらされているのがほとんどだとか。まあ永久って事はないだろうとは思っていましたが、感動してきた壁のほとんどがリメイク?だったとはつゆ知らず。ちょっとしたショックです。

そんな話を皮切りに、一般的な土壁と茶室壁の下地の違い、材料の気の使い方、土の種類などなど、ひと言で書くのはなかなか難しいお話をたくさん聞く事ができました。中でも面白かったのは、節がある柱への墨付けは墨壷に糸よりもテープが便利だとか。土を寝かせても思われていたほど強度が上がる訳ではないのだとか(施工性は格段に上がります)。

茶室と言う意匠(美)の探求こそが、左官に限らず職人の技術や材料や道具の発展を牽引してきたのだな〜。いちいち妥協していては、そうした事はなし得ないのでしょうね。建築道はまだまだ遠く果てしないです。

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