彫忠【だんじり】

ノボリがだんじり屋さんっぽい

ノボリがだんじり屋さんっぽい

威勢の良い大阪の祭と言えば、岸和田のだんじり祭りが有名ですが、大阪各地のだんじりを40年近く作っている「彫忠」さんを訪ねました。地下鉄谷町線から徒歩で10分弱、工業団地の一角に彫忠さんの工場があります。
残念ながらこの時期はシーズンオフ?と言うことで、工場の中に職人さんとだんじりがひしめき合うものでありませんでしたが、修理中や新規制作中のものを垣間見ることが出来ました。

社長の田中忠さんは四国・宇和島の生まれ。木彫やアクセサリーの制作をしていた社長さんは、大阪のだんじりに出会い、独学でだんじり作りを始められました。
通常、本体組み立ての宮大工と彫刻装飾の彫り師はそれぞれ分業で製作されますが、彫忠では彫刻と組み立てを社内で一貫生産する、業界では珍しい存在なのだそうです。

小さい地車

小さい地車

大阪のだんじりは「地車」と書きますが、対象的なのは京都祇園祭などに見られる「山車(だし)」でしょうか。
だんじりは大きく分けると上部の彫刻に凝る「上だんじり」とその逆の「下だんじり」になるそうです。装飾部分のの高さも関係しますが、重心位 置の違いが重要。上に重心の来る「上だんじり」は前方に伸びる引手をテコにしながら回転させる事が可能なので、街中を練り廻りやすくなっています。対して「下だんじり」は重心が低くスピードを出しても倒れにくいので、走りながら引き廻すような勇猛な祭に適しています。
また、岸和田、八尾、平野など、大阪のだんじりが環状線外周部に多いのは、大塩平八郎の乱や大阪大空襲など歴史の紛争に巻込まれ、焼失してしまったものが多いためだそう。その昔は大阪の中心でも数多くだんじりは見る事が出来た様です。

ふとん太鼓

ふとん太鼓

組み立て中のふとん太鼓

組み立て中のふとん太鼓

だんじりの制作費は5、600万円から1億円以上と、大きさや装飾の具合で千差万別 ですが、やはり不景気の為か新規の注文はすっかり減っているようです。シーズン前には修繕の注文をこなし、それ以外の時期は写 真にあるようなミニだんじりを受注生産されていたりもします。
とは言え面白いのは、町内会の見栄張りのような習慣が残っているため、となりの町内会のだんじりよりも少しでも高いものを買い求め、値が釣り上がり、仲介業者を通 すと場合によれば実費の倍近い値段で売れて行くこともあるそうです。直接注文していただければ安くしますよ、と社長さんはおっしゃっていました。

本体の材料はケヤキやコクタン、シタンなど堅い木がほとんど。だんじりのデザインは40年来変わりはありませんが、昔ながらの作り方に留まらず色々な工夫を加え、より丈夫に永く使ってもらえるだんじり作りをされています。
息子さんが跡を継がれ、まだまだこれからも大阪の祭を支えて行かれるのだと思いました。

ミニ地車

ミニ地車

ミニチュア地車

ミニチュア地車


【案内】
(株)彫忠
ホリチュウ 田中 忠
八尾市太田新町1-248
TEL:0729-48-2157

【参考サイト】
八尾ものづくりネット」八尾市
・・・「八尾ものづくり見本市」から検索できます。
ものづくりサポート」大阪府
・・・「大阪の伝統工芸品・見て歩記」に紹介されています。

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