Kirsche’s blue castle

13:ダイニングとキッチン 

表札用に作成したロゴマーク 施主さんから頂いた原案を元にスタッフが作成しました

施主さんはご夫婦共に多趣味。事務所を初めて訪ねて来られた時には、すでに理想のプランを片手にされていました。なんでもやってみないと気が済まない?その施主さん持ち込みプラン大枠なぞりながらも、ピーカン風の味付けを施した小さな店舗付きの小住宅です。

*

スケジュールも厳しい条件でしたが、アレヨアレヨと完成した家は遊び心がいっぱいです。愛猫キルシェの格好の遊び場となりました。

 03:店舗

建築概要
 【 敷地概要 】
 ・場所  :兵庫県神戸市
 ・敷地面積:70.80 ㎡
 ・用途地域:市街化区域 第1種住居地域 建蔽率60%・容積率150% 第5種高度地区 準防火地域
 ・前面道路幅員:(北)15.0 m
 【 工事概要 】
 ・工事種別 :新築
 ・建築面積 :40.43 ㎡
 ・延べ床面積:102.25 ㎡(住宅の部分:同じ)
 ・構造/規模:鉄骨造一部木造 地上3階
 ・最高の高さ:9.95 m
 ・基礎仕様 :鉄筋コンクリート造ベタ基礎(改良杭)
 【 主な仕上 】
 ・屋根:2重シート防水 一部ガルバリウム鋼板瓦棒葺き
 ・外壁:金属系サイディングヨコ貼り
 ・内装:床/長尺シート・パインフローリング 壁・天井/ビニールクロス
 【 設計/施工 】
 ・設計:庄司洋建築設計事務所(担当:庄司洋・中山咲希子)
 ・施工:伊万里工務店(担当:山口憲治)

Photo:絹巻豊

 

施主さんご夫婦から、熱のこもった「すまいの感想文」を頂きました。
” 旦那様編 ”

“キルシェの青い城”

暮らし始めて一年とちょっとが過ぎて・・・・

庄司さん、中山さんには大変お世話になりました。家の竣工が2004年末までにどうしても建てて欲しいという私達のわがままを受け入れていただき、庄司さんの普段のペースではないペースとなったことを申し訳なく思っております。しかし現在幸せに私達がこの家で暮らせていることは、まことに庄司さん、中山さんをはじめ建築に携わっていただいた多くの方のご尽力のお陰だと心から感謝致しております。

私達は家を建てようと数年前から考え始めてはいたのですが、その年(2003年)の暮れに、最近巷で話題の“六星占術”(この頃二人ともこれにハマッテいました。)の詳しい方に私達二人の運勢を調べて貰った結果、2004年以内に家を建てる方が良いというアドバイスを頂き、我達は急いで年明けから土地を探し始めました。土地探しと平行して工務店探しをしていた時に、建築家もありかなということで、ネットのサイトでデザイン力のある建築家でヒットした建築家のうち、当時住んでいた甲子園の社宅から一番近所の事務所だったという安易な理由で庄司さんのWebを覗いてみました。二人とも“こんな家いいじゃん”という1st印象をもち、ほぼその時庄司さんに決定となりました。そして庄司さんには4月の始め頃に土地を決めて正式にお願いに上がりました。その時年内に建てたい旨を伝えると、穏和な風体の庄司さんの顔が一瞬険しくなったのですが、“なんとかしましょう。”と力強く承諾していただき私達は安堵しました。

最近になっても、外からこの家を眺めていて、単純な箱みたいだけど、格好いいなあとしみじみ感じています。他にはない感じで、窓やハイサイドの配置がクールで、ガルバリウム鋼板も縦縞にするのはよく見かけるのですが、この家のように横縞にすることによって膨らみと暖かみを感じさせます。つくづく普通の建て売りにしなくて良かったと。個性的だから、いつまでも飽きがこないと思います。また、青一色の外観は存在感があり、周囲に馴染んでいるけれども際立っているところが良いなと思っています。青色は日本では落ち着きの色とかいいますが、ヨーロッパでは生命力の象徴とか活力を表す色だそうなので、この家が我々家族の生命力を湧き出させてくれる家に育っていくような気がしています。

1階は玄関を入ると、嫁の小店舗が突き刺さった感じで同じ白の外壁が玄関内にもあり、そのまま天井も壁も靴箱や建具も白色で統一されている。そして天井は鋼製の型枠が見え、柱の鉄骨や階段の側面もごつごつしており、私の希望どおり無機的でメタリックな感じ、しかもそれに加え真っ白な清楚な雰囲気が1階全体を包んでおり、かなり気に入っています。特筆すべきはガラス壁の使い方です。玄関扉横の北側壁一面が擦りガラスになっていることと、階段室の側面壁もガラス壁になっていることです。東西に窓のない暗くなりがちな北向き玄関を2階からの光も取り入れ最大限に明るさを求めた工夫に感心です。また最近のことですが、家の北側にマンションができ、驚くことにマンションの窓に反射した日光が玄関扉横のガラス壁を通って、1階全体が凄く明るく暖かくなり、南向きかと勘違いするほどになるのです。これは庄司さんの計算だったのではないかと思ってしまいます。

階段扉(猫が飛び出さないように設置)を開けて縞鋼板の白い階段を上って行くと、淡いベージュと白の2色で統一された空間が優しく広がっています。1階のイメージとは対照的に柔らかく優しい雰囲気と、3階までの吹き抜けた広い空間に開放感を感じます。そしてまず目にはいるのは、私が設計段階で一番に要望をした流行の螺旋階段です。この家の象徴と言っていいでしょう。私は風呂上がりの夜中に、無垢のフローリングに大の字に寝転がりながら、この螺旋階段と3階の寝室と子供部屋を繋ぐ渡り廊下を見上げて静かな時間を過ごすのがとても好きです。そして、この2階でも庄司さんの光の魔術は効果絶大です。東面のハイサイドライトから差し込んでくる朝日が螺旋階段の陰を白い壁面に映し出し、その絵模様が光る階段とのコントラストで美しい絵のように見え、朝の雰囲気を盛り上げてくれます。また、北面の開口はマンションからの視線を考慮した位置に配置され、西面のテーブルの下には小さい開口が設けられ、間接照明的な役割には感心しています。

私がこの家で神聖な場所と位置づけている部屋がこの2階にあります。それは北東角にある小さい和室です。床下収納を考慮して、リビング床面より少し高くし、それにより天井高を低く感じさせ、開放感のあるリビングからこの部屋に入ると、引き締り落ち着いた雰囲気に包まれます。この雰囲気を更に盛り上げているのが、北面から東面に繋がったハイサイドライトからの光と床面高さに設けられた障子窓からの淡い光の融合です。とにかくこの部屋には普段は入らないのですが、何か神聖な気持ちが必要な時に入りたくなります。うちの猫達もよくこの部屋の障子窓から外を眺めているのですが、その後ろ姿を見ますと、何かもの思いに耽っているように感じます。

螺旋階段を3階へ上がると、吊り橋のような渡り廊下があり、その欄干から2階のリビングを眺めた時、かなりの高さに足下がすくみます。怖さを盛り上げるのは、螺旋階段およびこの欄干とも、手摺りと踏み面との間に、細い数本の支柱以外に壁もなにもないことです。初めてのお客さんは危険な家と感じる方もいますが、私はこの危険さがこの家の醍醐味を醸し出していると考えています。確かに夜中起きて渡り廊下から螺旋階段でリビングに下りるとき最初の頃はちょっと緊張感がありましたが、今となっては昔の話しで、慣れれば問題ありません。とかく今の世の中は安全や効率を追求してしまうあまりに、それが持つ本来の美しさや意味を失ってしまわせ、人間のもつ感受性を貧しくしていると思っています。冒険のなかにこそ本当の美が宿り、そこに人を感動させる芸術が生まれるのでしょう。とにもかくにも、うちの猫達は、この渡り廊下から2階にいる私達のことを覗き見たり、螺旋階段にショートカットで飛び移り、走り回って、かなり冒険して楽しんでいるようです。

この家の部屋の中で1番私が気に入っている部屋が実はこの3階の寝室なのです。床に敷かれた畳風のフローリングマットがとても良く、日曜日の昼下がりに、この床に寝転がっていると、いつの間にか夢見心地です。南面にあるこの部屋は陽あたり良好で、冬でも暖かみが夜にも残り、安眠を誘います。うちの猫達もこの部屋の日だまりで日光浴しながらのお昼寝が日課です。この部屋で寝起きするようになって、睡眠の楽しさと大事さを認識し、熟睡と安眠は人間の心身の健康にとって、食事と同じく必要不可欠なものであることを体得しました。

この家に住み始めて1年とちょっとが経ったわけですが、この頃になってやっと落ち着いて、この家の良さを体感し始めています。この家と我々との一体感が芽生え始めたというのでしょうか。今までの借家生活では、一切しなかった風呂掃除や床掃除も私が率先してやり続けています。自分自身の家ということの自負からもあるのですが、掃除をすることによって家がきれいになるだけではなく、運動になると同時に自身の心の掃除にもなっているのではないかと思います。掃除をすることが楽しいですし、結果としてきれいになった家に居ることが楽しくなる。そして以前なら休日には、よく外出したくなったのですが、最近は家に居ることを欲するようになりました。

家に居ることが楽しくなる要因としてまだ上記に書いていなかったのですが、私の趣味部屋があります。男たるもの自分一人の世界にどっぷり浸れる時間と空間がちょっとでもあることが幸せなのではないかと思っていました。そこで1階に私専用の小部屋を庄司さんに造ってもらいました。音楽を多少奏でてもいいような防音効果の材料を壁面に施工してもらったので、夜中でも大声で歌ったりギターを弾いて、仕事のストレスを発散しています。またこの部屋を一周できる棚を作ってもらい、子供の頃からの夢であった鉄道模型をそこに走らせて、夜な夜なにんまりしています。

この家を造ったおかげで私達の生活は良い方向に一変していっているような気がします。多額のローンを背負っても、これをバネに働く意欲が湧いてきましたし、今年の8月には新しい家族が誕生する予定です。とにかくこの素晴らしい“キルシェの青い城”が完成できたことは、良い時期に庄司さんを含めた様々の関係者の方々との良い出会いに恵まれたお陰であると思っています。大変感謝しております。この夢の実現が次の夢のステップとなるよう家族ともども日々精進し、この家とともに成長していくことを強く思っております。

2006年 5月 吉日

( 20060527 施主様より )

施主さんご夫婦から、熱のこもった「すまいの感想文」を頂きました。
” 奥様編 ”

☆ キルシェの青い城に暮らし始めて

家を建てよう!と思い立ってから、完成まで本当に駆け足でした。
庄司さん、中山さんには本当にお忙しい思いをさせてしまっただろうなぁと思います。
でもお陰でとても満足できる家が希望通りの期間でなんとか出来上がりました。
本当にありがとうございました。



引っ越してみて思ったことは、とにかく広い!(前に居たのが団地風の社宅だったので当たり前なのですが)荷ほどきをするのがとても楽でした。元々、設計段階からどこに何を収納するかを思い描いていたので、片づけも思った以上にスムーズ。とにかく荷物の多い我が家。色々置いていけばいくほど、なんだか新居という感じがしないくらい当初からしっくりしておりました。置き家具もあまりないので荷物を搬入してもごちゃごちゃ感や狭くなった感はなかったです。



暑さ寒さを心配していた2階~3階の吹き抜けも、普段はカーテンで仕切ることで今のところ大丈夫です。外観的に外から見ると窓があまりないように見えるのですが、家の中は計算された窓の配置がばっちりでかなり明るく、日が暮れるまでは電気いらず。外からの目線も全く気にならない窓の配置で、風通しもばっちりです。家の周りが都会のわりに比較的建て詰まっていないのもよかったです。



私達が主に考えていたところ:
方角を気にしていたので間取り。
完全にお任せしたところ:
照明・窓
気に入っているところ:
2階トイレ壁面のガラスタイル、3階寝室の窓の外につけてもらった布団干しパイプ、1階妻趣味部屋の入り口とびらの横長小窓、玄関ドアとその横のガラス(明るい!)、1階の衣装部屋や脱衣所の扉、下駄箱、3階の猫扉、台所全般、奮発したお風呂のテレビ。

( 20060527 施主様より )

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