one-story house




logo-onestory施主さんが当事務所ホームページの掲示板に何気なく(?)書込んで頂いたのがきっかけで、この住宅は完成しました。土地探しからお手伝いしていましたが、当初から平屋の計画ではありません。経過の中で希望には十分な広さの土地があった際、平屋ができますねと持ちかけてみただけだったのです。
その提案を気に入って頂けた事で、竣工時には平屋を意味する「one-story house」という名前を施主さんから頂きました。 その言葉には、この住宅が幾つもの物語が折り重なって出来上がった一つの物語である、と言う意味を込めているのだと思います。
そしてプロローグが終わった今、主人公となる施主さんとその家族に、この住まいを舞台に素敵なストーリーやエピソードをいつまでも創ってもらえたらと願っています。

建築概要
 【 敷地概要 】
 ・場所:奈良県生駒郡
 ・敷地面積:89.21 ㎡
 ・用途地域:市街化区域 第1種低層住居専用地域 建蔽率50%・容積率80% ・高さの最高限度10M ・壁面後退1.5m ・法22条防火地域
 ・前面道路幅員:(北西・南西)6.2m ・接道27.09m
 【 工事概要 】
 ・工事種別  :新築(一戸建ての住宅)
 ・建築面積  :92.96 ㎡
 ・延べ床面積 :88.64 ㎡
 ・構造/規模 :木造 地上1階
 ・最高の高さ :4.71 m
 ・軒の高さ  :4.305 m
 ・構造仕様  :木造軸組工法
 ・基礎仕様  :鉄筋コンクリート造ベタ基礎/一部地盤改良
 【 主な仕上 】
 ・屋根: 塗装ガルバリウム鋼板瓦棒葺き
 ・外壁: モルタル金ゴテ押さえ じゅらく風アクリルリシン吹付
 ・内装:
 (玄関)床/コンクリート金ゴテ 壁/じゅらく風リシン吹き付け 天井/木毛セメント板
 (居間・寝室)フリースペース 床/フローリング 壁/オレフィンクロス 天井/ビニールクロス
 【 設計/施工 】
 ・設計  :庄司洋建築設計事務所(担当:庄司洋)
 ・施工  :株式会社じょぶ(担当:佐藤福男・磯山哲也)
 ・家具  :(キッチン・造作家具)カリエラ
 (ちゃぶ台)Field 古田

Photo:絹巻豊

  • HOUSE」施主さんのHP
  • ほふく前進**」施主さんのBLOG
  • 「LiVES」vol.19・2005年2・3月号
  • 「世界でいちばん自分らしい家」別冊新しい住まいの設計135
施主さんから頂いた「すまいの感想」です。

 このコンテンツへの依頼を頂いて改めてあっという間に過ぎた1年を思い、自分がこの立場にいることの不思議さを感じています。枯野だった芝生も青々と色づき、ご近所で評判だった風変わりなこの家も、やっとこの地の風景に馴染み始めたように思っています。
「住まいの感想」ですが、one-story houseは使用用途に合わせて2棟分かれた平屋コートハウスですので、その特徴を踏まえた居住性を比較しつつ、まとめてみたいと思います。

【 暮らしてみて 】


私が計画段階から特に心配していたのは夏の暑さと冬の寒さでした(特に天井の高い容量の大きいリビング)。
パブリックスペースである北棟(南向き)は大開口の窓からリビングに陽射しが豊富に射し込み夏は暑くなりがちですが、灼熱になる・・・という程ではありませんでした。クーラーは飾りにしかならないかも・・と思っていましたが、効きが良かったことも意外でした。
プライベートスペースである南棟(北向き)の夏は、昼過ぎまでひんやりしていて快適でした。夜も寝室ではほとんどクーラーを使用していません。風通りは家中でフリースペースがもっとも良く、来夏はここで子供と扇風機なしにお昼寝ができるのでは、と楽しみにしています。
ロフトはさすがに暑かったからことを考えると、全体的に暑くなりすぎる部屋ということはなかったのは平屋だったということもあるのでしょう。結果的に夏のクーラー稼働率は思ったより上がらず、電気代も普段の月から飛びぬけて高くなるということはありませんでした。

奈良の冬は両棟とも流石に聞いていたとおりの寒さでしたが、これは玄関土間&引き戸、上部ハイサイドからくる冷気の影響もあったと思います。しかしこれらはone-story houseを個性的に彩る仕様でもありますので、納得するしかないと覚悟しています。
冬の寒さ対策にはガスファンヒーターを使用しています。こちらも効きがよいので、すぐに温めることができます。
唯一避けられないのはリビングから土間を通ってトイレに向かう瞬間であり、修行僧のように精神力を試される時でなのですが(笑)、サムイサムイと言いながら暖かいリビングに戻ってくる・・・寒い冬らしい感じをたまには骨まで(そこまで?)感じれるのも趣としていいか、と思うことにしています。

いずれの場合にも言えることですが、予算の都合上温水パネルや床暖房などの大掛かりな暖房設備はカットしながらも、断熱を重視し充分に装備してもらったことがこれらの凌ぎやすさに貢献したように思います。
冬の光熱費はさすがに上がりましたが、夏の光熱費は抑えられたので、トータルでは急激な高騰とはなりませんでした。

特徴的である南棟と北棟の天井の高低差ですが、北棟リビングは最高3m80cmの高さからくる広々とした開放感、南棟個室は高さを抑えた天井からくる隠れ家のような落ち着きを感じることができ、1つの家の中でも異なる雰囲気を楽しむことができます。
さらに中庭ですが、ほぼ全ての空間から望むことができます。常に緑を感じる暮らしは気持ちの良いものです。春・秋にリビングに差し込む陽射しのやわらかさは、ネコ達を含めてすべての住民の眠気を程よく誘い、リビングの窓辺は縁側のような絶好のうたた寝スペースとなっています。

せめてここは!と思ったところはこだわってよかったと思ってます。私にとっては洗面室・浴室、そしてトイレでしょうか。生活感が色濃く現れるこれらの空間に手を抜かなかったことは、住み始めてからの維持に力が入る結果にもつながって、いつも心地よい空間でそこに在り続け、生活にゆとりを与えてくれています。
そして地震・台風等災害続きだった今年を過ごしてみて思ったのは、見た目以外の基礎や見えない部分(断熱など)の重要性でした。地盤の補強など、考えておいてもらってよかったと改めて胸を撫で下ろしたものでした。

建築家と建てる家は、奇を衒うデザインが目立つ傾向にありますが、個人的にはそこに住まう人の住み心地にもっとスポットが当てられるべきだと感じています。その点においてone-story houseは、2棟のそれぞれの仕様が用途にマッチしながら、さらに心地良さにも繋がった好例だと思っています。
暖房設備には若干の後悔が残りますが“お金をかければ快適になる”というのは当然のこと。この予算内では合格だと言えるでしょう。

平屋というコスト高の造りに加えて、素材の面白さを活かす・・・というよりは無難にかっちりとした造りを要求した為、上がり気味のコストをいかに抑えるかに苦労されたと思いますが、色々と工夫をして頂き、想定した予算・ボリューム内で建築家ならではのピリリと隠し味の効いた魅力ある家をまとめていただけたと感謝しています。

この1年は共働きでもあった為、家にいる時間もゆっくりとなく慌しく過ごしてしまいましたが、来年からはじっくりと向き合うことができます。
今後の生活スタイルの変化に合わせてこの家が変わっていく様子を、これからも楽しんでいくつもりです。

「すまいの感想」竣工20031025

関連記事:

    None Found

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterPin on Pinterest

More Projects