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キッチンからリビングを見る様子。階段下の扉の向こうは、下階の玄関へ通じる階段室になります。

建物全景。建物から向こうの敷地は上がっており、玄関は半地下階扱いになっています。

大きな吹抜けのリビング全景。北へ向いたイメージです。

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神戸市の海を見晴らす、山手の閑静な住宅地。ここに、ご夫婦と一人のお子様のための木造住宅が完成しました。

敷地の高低差を、空間の豊かさに

前面道路から約1.5m高いという敷地の形状は、この家の設計における重要な出発点になっています。その高低差をネガティブな要素にせず、空間を豊かにする好機と捉えました。RC造の地下階からアプローチし、木造の居住空間へと繋がるスキップフロア構成とすることで、この土地ならではの立体的な住まいを提案しています。

光と木の温もりに満ちたリビング

天井高を抑えた地階玄関から階段を上がり、1階リビングへ足を踏み入れると、視線は心地よく上階へと抜けていきます。リビングの天井には、節のないヒノキ羽目板を全面に採用しました。空間全体が柔らかな木の香りと温もりに包まれ、落ち着きのある雰囲気を創出します。また、構造材を現しにすることで、木の家の骨格がもたらす力強さと安心感を、日々の暮らしの中で常に感じられるよう意図しました。

緩やかに繋がる、暮らしの動線

プライベートな空間が配された2階へは、螺旋を描くようにスキップフロアを上がっていきます。これにより、フロア間の移動は短い階段の上り下りに感じ、日々の暮らしの動線を緩やかに繋ぎます。単なる移動空間ではなく、家全体の一体感を感じることができます。

暮らしの中の、贅沢なロフト空間

そして、この家のハイライトは、南側に設けたサンルームの先に広がる、神戸の海です。神戸の海を一望できるロフト空間を設えました。クライアントの一番のご要望であったこの場所は、暮らしの中に非日常的な時間をもたらす、ささやかで贅沢な場所となります。

構造体には、地元の兵庫県産ヒノキを。そして造作材には奈良・吉野のヒノキやスギを適材適所に採用し、上質で豊かな木の表情に溢れた住まいになりました。

リビングに入って、南に向かった様子。大きな吹抜けになっています。

敷地の高低から、北側の和室には少し降りながら入ります。

吹抜け上の廻り廊下。階段を上がって、さらに少し上がりながら回り込みます。

玄関ホール。下駄箱の向こうも個室があります。

玄関ホールの階段。船舶用の丸窓をアクセントに。

2階を上がる階段上にトップライトがあります。

リビング側からキッチンの様子。

キッチン。

左官仕上の和室。

階段を上がると、吹抜けを囲むように部屋があります。

吹抜けに面する廊下の先には、洗濯コーナーとロフト。

子供室から吹抜けを見る様子。右手は洗濯コーナーのサンルーム。

洗濯コーナーを挟んで、子供室。

洗濯コーナー西向き。

洗濯コーナー東向き。
ハシゴを登れば、スノコのロフトへ。夏は、神戸花火を見る特等席になります。

北側の居室。

洗面スペース

浴室(バスルーム)

トイレ

夜景。建物正面全景。

Photo:絹巻豊

建築概要

【 敷地概要 】 ・場所/兵庫県神戸市 ・敷地面積/112.06 ㎡ ・用途地域/市街化区域 第1種低層住居専用地域 建蔽率60%・容積率150% 第1種高度地域・高さの最高限度10M ・前面道路幅員/(北東)4.7m
【 工事概要 】 ・工事種別/新築 ・建築面積/55.68 ㎡ ・延べ床面積/126.07 ㎡(住宅の部分:同じ) ・構造規模/木造一部RC造地下1階地上2階 ・最高の高さ/8.35 m ・構造仕様/木造軸組工法 ・基礎仕様  :鉄筋コンクリート造ベタ基礎
【 主な外部仕上 】 ・屋根/ガルバリウム鋼板タテハゼ葺き ・外壁/窯業系サイディングの上シックイ調左官材仕上げ
【 主な内部仕上 】・床/ヒノキ・スギ ・壁/ビニールクロス ・天井/ヒノキ・ビニールクロス
【 設計/施工 】 ・設計/庄司洋建築設計事務所(担当:庄司洋) ・施工/いなほ工務店(大工:池田真二)

完成/2011年1月