Mr.HajimeTaira

建物全景外観。左の棟は、デッキを挟んで離れになっています。

リビング

ベッドルーム

京都・修学院に建つ、コの字の平屋住宅

京都、修学院離宮のほど近く。私たちは「平 一(たいらはじめ)」と名付けた一軒の木造住宅を設計しました。

借景を活かし、光とプライバシーを両立する設計

敷地は住宅地の袋小路の突き当たりにあり、奥に向かって緩やかに広がる扇状の土地でした。その先には修学院離宮の豊かな森が借景として広がっています。一方で、東側には隣家の壁が迫り、午前中の採光が課題となる敷地でもありました。

この恵まれた環境を最大限に活かしつつ課題を克服するため、広い敷地の中にあえて小さな「コの字型」の平屋を配置しました。コの字にすることで、隣家からの視線を自然に遮りプライバシーを守ると同時に、中庭に面した大きな開口部から、どの部屋にも豊かな光と緑を取り込むことができます。

家族の暮らしに寄り添う、中庭中心の間取り

このコの字型のプランは、お施主様の暮らしに寄り添う工夫でもあります。お仕事柄、ご主人様が日中にお休みになると伺い、活動の中心となるLDKと寝室の間に物理的な距離を確保しました。これにより、ご家族の生活音を気にすることなく、静かな環境でゆっくりと休めるよう配慮しています。中庭を介して家族の気配は感じながらも、それぞれの時間を大切にできる間取りです。

外観に見える扉の一つは、単なる勝手口ではありません。将来ご家族のライフスタイルが変化した際に、増築ができるよう備えた「未来への接続口」です。住まいが家族の成長に寄り添い、長く快適に続いていくことも、重要な設計テーマでした。

名は「ハジメ」ですが、いつの日か、この家が家族を温かく見守るサザエさん一家の「波平」さんのような、頼もしい存在になってくれればと心から願っています。

玄関ポーチ

玄関ホールと離れへの通路

リビング南向き

リビング東向きの造作テレビ台

キッチン

ベッドルームに向かう通路

デッキスペース

離れのこども部屋

夕方のリビングルーム

外観夕景

Photo:絹巻豊

建築概要

【 敷地概要 】・場所/京都府京都市 ・敷地面積/311.96 ㎡ ・用途地域/市街化区域 第1種低層住居専用地域 建蔽率50%・容積率80% 10M高度地区・第1種建造物地区 高さの最高限度10M 防火地域指定無し(法22条地域) ・前面道路幅員(北)5.05 m
【 工事概要 】・工事種別/新築(一戸建ての住宅) ・建築面積/86.87 ㎡ ・延べ床面積/86.87 ㎡(住宅の部分:同じ) ・構造規模/木造 地上1階(平屋) ・最高の高さ/0.00 m ・構造仕様/木造軸組工法 ・基礎仕様/鉄筋コンクリート造ベタ基礎
【 主な外部仕上 】・屋根/塗装ガルバリウム鋼板瓦棒葺き ・外壁/窯業系サイディング通気工法
【 主な内部仕上 】床/床暖房対応チークフローリング ・壁/ビニールクロス ・天井/ビニールクロス
【 設計・施工 】 ・設計/庄司洋建築設計事務所(担当:庄司洋・中山咲希子) ・施工/田中製材住宅 ・家具/カリエラ


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掲載等

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