大阪で叶える二拠点生活：自然と調和する小さな週末住宅

大阪北端に計画された週末住宅「NOYA」は、豊かなセカンドライフと将来的な定住を見据えた住まいです。山、川、田園の緑に囲まれた素晴らしいロケーションが最大の魅力。都市計画上、将来にわたり周辺に他の建築物が建つ可能性が低い恵まれた環境で、二拠点生活を目指す施主様にとって絶好の計画地となりました。
敷地西側に流れる川を挟んで観光バス操車場がありますが、建物配置と窓開口の向きを工夫することで、操車場の存在を意識させない配慮をしています。

古道具が映える余白のデザイン：シンプルさと素材の魅力

建物内部は、ほぼワンルームのシンプルな構成です。1階のリビング・キッチンは少しパブリックな使い方も意識した空間とし、対して2階の寝室・バスルームはプライベートな景観を独占する空間としました。これら上下の空間は、軽やかな鉄骨階段が橋渡しをしています。
施主様が古道具屋を営まれていることから、センスの良い古家具やインテリアが最大限に引き立つよう、あえてすっきりとしたプレーンな空間を目指しました。壁、床、天井の仕上げはグレーを基調に主張しすぎないトーンでまとめ、暮らしの中で少しずつ彩りが加わる「余白」のあるデザインです。
床には硬質木片セメント板を採用。セメントと木を固めた均質すぎない質感が独特の素材感を生み出し土間のような風合いがあります。年月とともに味わいが増していくのも魅力のひとつです。

光と陰影が織りなす空間：開放感と籠り感のバランス

この住まいでは、光と陰影のコントロールも重要なデザイン要素です。玄関側はあえて少し暗がりにし、家の中心にある吹き抜けの階段スペースからほんのりとした明るさが住まい全体に広がる設計としました。単に明るい空間を作るのではなく、動線や視線の流れをイメージしながら窓を配置しています。
天井の高さについても、単に高ければ広いと感じるのではなく、空間のリズム感を重視しました。開放感と籠り感、高低差、そして光と影を意識的に組み合わせることで、住まいに奥行きと豊かな表情を生み出しています。

将来を見据えたデザイン：省エネと経年変化を楽しむ住まい

建物の北側には「への字」型の屋根を架け、開けた南側景観へ視線を向けつつ、北側隣地の干渉を緩やかに閉じています。リビング正面の大きなガラス窓の向こうには、将来的に目隠しとなる木々が植えられ、周辺の視線を気にせず過ごせる穏やかな空間となる予定です。

現在は週末の住まいとして使用されていますが、将来の住まいになることを前提として設計しています。シンプルな空間構成は暮らしの変化をおおらかに受け止め、経年変化を楽しめる素材の採用で、暮らしとともに味わいが深まる。そんな「永く愛される住まい」のあり方を大切にした一邸です。

東面から見た建物全景。

玄関アプローチ。前面土間の奥に見えるのは井戸。

玄関から建物へ入ったところの様子。

リビングからキッチンを見た様子。階段奥に見えるのが玄関戸。

施主様が友人から譲っていただいた業務用キッチンカウンター。

２階寝室。右側大窓からは田園風景。小窓の向こうにはバス操車場が見えます。

２階寝室の奥に洗面コーナー、その奥にバスルームです。

玄関周り。据付けの家具は、床下エアコンの格納場所になっています。施主様持込みのレトロな扉はトイレ戸になりました。

白で統一された２階バスルーム。
外から直接入ることもできる１階トイレ。

庭側から見たリビングの夜景。

省エネ概要

【 地域区分 】 ５地域
【 断熱ＵＡ値 】 0.35 W/(㎡k)（ 断熱等級６・HEAT20-G1 ）・屋根／高性能グラスウール吹込・壁／高性能グラスウール充填＋フェノールフォーム付加・基礎／ポリスチレンフォーム
【 気密Ｃ値 】 0.2 ㎠/㎡（ 気密工事後の測定値 ）
【 冷暖房方式 】
冷房　ヒートポンプ式
暖房　ヒートポンプ式（床下エアコン）

建築概要

【 敷地概要 】 場所／大阪府豊能郡・敷地面積／456.52 ㎡・用途地域／市街化調整区域 防火地域指定なし 建蔽率 60％ 容積率 200％ 前面道路幅員（西）4.400 m 
【 工事概要 】 工事種別／新築（敷地全体増築）・建築面積／45.53 ㎡（121.07 ㎡）・延べ面積／86.15 ㎡（161.69 ㎡）・構造規模／木造 地上２階・最高の高さ／6.540 m・構造仕様／木造軸組工法 鉄筋コンクリート造ベタ基礎 
【 主な外装仕上 】 屋根／ガルバリウム鋼板葺き・外壁／ガルバリウム鋼板小波貼り 
【 主な内装仕上 】玄関床／窯業系平形スレート・１階床／硬質木片セメント板・１階壁／ワラスサ入り左官材・２階床／カーペット・２階壁／卵殻入りEP
【 設計施工 】設計／庄司洋建築設計事務所（庄司洋）・施工／株式会社メイワ（山口明・池田学）・創木舎（高尾剛志）・川野電気（川野義行）・ジャースト（谷村幸治）・森本材木店（宮本英之）

完成：２０２３年１２月

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• 命名「 NOYA 」
• 工事完了。
• 仕上工事も終盤です。
• 仕上工事の真っ最中です。
• 地味な下地生活
• 断熱気密で大事なこと
• 外壁の下地工事
• 屋根工事が終りました。
• 屋根の垂木組み
• 棟上げが終りました。
• 地鎮祭「エイ、エイ、エイ！」の意

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2025年3月　PlaNavi で紹介されました。「暮らしとセンスが馴染む、余白ある住まい」