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外観

リビング

廊下

岡山県北の風景に溶け込む、自由な住まい

岡山県中北部、広大な田畑や公園に囲まれた、空が広く感じられるのどかな土地。遠くからでもその姿を望むことができる恵まれたロケーションに、この住宅は建っています。目指したのは、決まった形のリビングやダイニングに暮らしを合わせるのではなく、そこに住むご家族のライフスタイルそのものが、家の形になるような、どこまでも開放的で自由な住まいです。

「リビングは要らない」から始まった、心躍る家づくり

この設計の原点は、施主ご夫妻からのユニークなご要望の数々でした。

「趣味の自転車を、ショップのように美しく飾りながら保管したい」
「子どもたちが裸足で元気に走り回れる、広々とした土間が欲しい」
「料理好きの夫婦が、一緒に立てるキッチンを家の中心にしたい」
「リビングという概念にこだわらず、もっと自由な空間がいい」
「奥様の趣味である生け花を、静かに愉しむ和室も欲しい」

想いを丁寧に紡ぎ合わせ導き出した答えは、4つの平屋の棟をクローバーのように配置し、その中央を筒状の立体で繋ぐという空間構成でした。

家全体がひとつの大空間。趣味と暮らしを繋ぐ土間

この家では、寝室などのプライベートな空間を除き、1階のほぼすべてを土間として捉え直しました。これにより、大切な自転車をオブジェのように家中のどこへでも自由に飾ることができます。あえて明確な玄関は設けず、四方から気軽に出入りできるこの設計は、この地域に今も残る、縁側でご近所さんと気軽に言葉を交わすような、おおらかで心地よい繋がりを現代の住まいに取り入れたいという想いも込めています。

十字の路地が生む、光と風の通り道

家の中心に立つと、4つの棟の隙間から生まれた十字の路地を通して、東西南北それぞれの美しい風景を一度に見渡すことができます。この路地は、家族の気配をいつも感じさせてくれると同時に、この土地を吹き抜ける風の通り道を、心地よく家全体を巡ります。

こもり感を楽しむ、2階の特別な「子供部屋」

タラップの階段を上がると、そこは2階の子供部屋です。1階の開放的な雰囲気とは対照的に、筒状の空間がもたらす程よい「おこもり感」が基地のようです。家族の気配を感じながらも、自分の時間を大切にできる、もう一つの居場所になるでしょう。

季節や暮らしと共に変化する、可変性のある住まい

4つの棟を繋ぐのは、引き戸を中心とした建具です。季節の移ろいや暮らしの変化に合わせ、空間を自由に仕切ることで、居住スペースの広さや室温を自在に調整できます。夏の涼しさ、冬の暖かさを効率よく保つ。寒暖差の厳しいこの地域の気候風土に対応する、現実的な快適性も、私たちが大切にした設計のポイントです。

一枚一枚の葉が合わさって幸運のシンボルとなるクローバーのように、この家がご家族にとって、日々の暮らしに彩りと喜びをもたらす存在となることを心から願っています。

外観

東面。ガレージの奥に玄関があります。

玄関ホールと廊下

タラップのような階段

リビング

キッチンからリビング

造作キッチン

キッチン

バスルーム

和室

トイレ

2階こども室南面

2階子供室北面

夕方

建物南面。夜景。

Photo:絹巻豊

建築概要

【 敷地概要 】 ・場所/岡山県真庭市 ・敷地面積/317.93㎡ ・用途地域/市街化区域 準工業地域 建蔽率60%・容積率200% 第1種高度地域(5M+1.25/1<12M) 高さの最高限度10M ・前面道路幅員:(北)4.2 m
【 工事概要 】 ・工事種別/新築(一戸建ての住宅) ・建築面積/143.88 ㎡ ・延べ床面積/182.07 ㎡(車庫含:住宅の部分 150.59 ㎡) ・構造規模/木造地上2階 ・最高の高さ/6.10 m ・構造仕様/木造軸組工法 ・基礎仕様/鉄筋コンクリート造ベタ基礎
【 主な外部仕上 】 ・屋根/塗装ガルバリウム鋼板瓦棒葺き 立ハゼ葺き ・外壁/塗装ガルバリウム鋼板角波・素地ガルバリウム鋼板波板
【 主な内部仕上 】・床/耐火野地板ワックス・ヒノキフローリング・構造用合板ワックス  ・壁/ビニールクロス下張り漆喰塗装・構造用合板ワックス ・天井/ビニールクロス下張り漆喰塗装・構造用合板ワックス ・暖房方式/土壌蓄熱式床暖房システム
【 設計施工 】 ・設計:庄司洋建築設計事務所(担当:庄司洋・習田真吾) ・施工:TERAKEN(寺口充匡) 協力:空我アートリフォーム(牧田昌徳) ・家具:カリエラ

完成: