
2階全景。手前からリビング〜ダイニング〜キッチンとなります。

建物正面。鴨川に向かって西向きです。

リビングルームをダイニングから見た様子

こだわりの施主様との家づくりは、土地探しから始まりました。理想の住まいを実現するため、神戸から京都まで広範囲にわたる土地探しをご一緒し、ようやく巡り会ったのが、鴨川のほとりに佇むこの場所です。
設計からお引き渡しまで、途中お休み期間を挟みながらも約2年。情報に鋭敏で、常に新たな理想やアイデアをお持ちの施主様との対話は、一つひとつのご要望を丹念に紐解き、建築として結実させていくには、刺激的で密度の濃い経験となりました。
重厚さと柔らかさが共存するRC造
完成した建物は、地下室と屋上庭園を備えた、外断熱仕様のRC(鉄筋コンクリート)造の注文住宅です。
イメージしたのは、奥に深い敷地に対し、筆跡の太い「へ」の字を描く文鎮をそっと置くような、量感豊かなコンクリート建築。その重厚な存在感がありながら、どこか柔らかな表情を持つ佇まい。力強さと繊細さが共存する、この土地ならではのデザインを目指しました。
光と影が織りなす、トンネルのようなLDK空間
正面道路からアプローチを進み、建物の中ほどに設けた玄関から中へ入ると、まず静かな光に迎えられます。そして階段を上がり、2階のリビング・ダイニングへと足を踏み入れると視界は一気に開けます。
それはまるで、鴨川に向かって大きく開口したトンネルのような、ダイナミックなLDK(リビング・ダイニング・キッチン)空間。コンクリートの静謐な雰囲気と、窓から差し込む光、そして外に広がる風景が一体となり、この家ならではの心地よさを生み出します。
京都の四季を暮らしに取り込む、屋上庭園からの眺望
この住まいの大きな魅力は、京都ならではの風景との共生です。
さらに屋上の突端に立てば、眼下に鴨川のきらめきが拡がり、振り返れば比叡山の稜線を望むことができます。
春には川沿いの桜並木が景色を彩り、夏には大文字の送り火が夜空を焦がす。日々、そして四季の移ろいとともに変化する景色を暮らしの一部として取り込む、贅沢な時間がここに流れます。施主様のこだわり、そしてこの類稀なるロケーションが一体となり、豊かな暮らしの器(すばこ)が完成しました。

キッチンと繋がったダイニングです。

道路からのアプローチ。中ほどに玄関に向かいます。

奥になるフリースペースから玄関を見た様子。正面側に向かえば子供室。


フリースペース

子供室

子供室見返し

玄関ホールから階段見上げ。

リビングの様子。

パソコンデスクとベンチになります。

リビング北面。

キッチン

キッチン

キッチン奥に行くと家事スペースがあります。

2階奥から。

地階にある主寝室

2階トイレ

1階洗面室とバスルーム

バスルーム


屋上の様子。
西に向けば鴨川を見渡せ、東に向けば比叡山を見通すことができます。

夕方になると正面ガラスに風景が映し出されました。

夜景

夜のアプローチ
Photo:絹巻豊
建築概要
【 敷地概要 】 ・場所/京都府京都市 ・敷地面積/115.45 ㎡ ・用途地域/市街化区域 第1種低層住居専用地域 建蔽率60%・容積率150% 第1種高度地域(5M+1.25/1<12M) 高さの最高限度10M ・前面道路幅員(西)6.0 m
【 工事概要 】 ・工事種別/新築(一戸建ての住宅) ・建築面積/55.37 ㎡ ・延べ面積/108.23 ㎡(地階含む建物全体:136.85 ㎡) ・構造規模/RC造一部木造 地下1階地上2階 ・最高の高さ/6.50 m ・基礎仕様/鉄筋コンクリート造ベタ基礎
【 主な外部仕上 】 ・屋根/屋上緑化・ウレタンFRP複合屋上緑化専用防水 ・外壁/ガラス繊維強化セメント板外断熱型枠打ち込み工法
【 主な内部仕上 】 床/スプルースフローリング ・壁天井/漆喰内装用塗料・化粧型枠コンクリート打ち放し
【 設計・施工 】 ・設計/庄司洋建築設計事務所(担当:庄司洋) ・施工/京都建設株式会社(担当:岩崎) ・家具/カリエラ ・ダイニングチェア/potitek
完成:2006(H18)年12月
