
私の事務所前には、道を挟んで古めの市営住宅が2棟横並びに建っていました。
しばらく前からその市営住宅の解体撤去工事が始まった。ウォンウォン、ドドドド、ガガガガ、微震動が続いているかと思えば、ドォォォ〜ン、木造平屋の事務所が揺れます。その瞬間に地震が来ても間違いなく気付きません。
それにしても、アッと言う間に壊されるものです。仮にもコンクリート造の4階建て集合住宅。つい先日、防音壁の囲いに覆われたところなのに、上階から壊される順に外されて行く。防音壁が見えなくなったところで、仮囲い壁にあるアクリル板から中を覗いてみるとコンクリートと鉄筋のガラが山積みになっていました。ヒェ〜。
とは言え、まだ2棟の内の1棟が跡形なくなったところ。合わせて基礎撤去も始れば、しばらく揺れる日々は続きそうです。
去年内から近隣住民へ、市営住宅建替え工事の近隣説明会がありました。
当事者側になる事は今まで無かったので、ご近所さんに紛れて説明会に参加。同業に特段ナニを文句つける訳でも無く、どんな手順でされるのだろうか? どちらか言えば興味本位。ご近所さんには申し訳ないばかりですが。。。
それでも皆さんの要望から、6階建てだった計画が5階建てになった経緯に、ひとり感心していた訳です。
ただ残念な事に、建替え後には事務所への日照が間違いなく悪くなりそう。
これまで南正面に2棟が間を開けて壁の様に立ちはだかっていたのですが、冬でもその合間から陽が射す時間がありました。ご近所皆さんのお陰で5階建てになったものの、これまでより高くなります。さらに2棟合わせた横にビッグサイズの1棟建て、事務所南正面に大きく立ちはだかる事になります。
しかも運悪く、事務所はそのビッグサイズのほぼ中央に位置するため、説明会で配られた日影図で見れば、一番最悪な場所にありました。
ただただ、がっくり。

こちらは、一年前に完成した住まい。南側に広い駐車場があり、今は良い環境です。
ただそこに高層建物が建ってもおかしく無い都市地域。その将来を考慮しながら1階のリビングに陽を届ける窓付きの吹抜けを計画しました。
吹抜けを挟んだ部屋には、面するところに内窓をさらに設けています。陽の角度によって各部屋に入る明かりを吹抜けへ取り入れる工夫もできます。
変化の多い都市や街に住まいを建てるなら、今ある環境だけを見ているだけでは足らないかもしれません。ご検討の方は、いろいろ想像してください。