
去年のことですが、完成して18年を過ぎた写真館「AZUMA-FOTO」の外壁塗装の塗替を行いました。杉板張りの上に黒塗装を施した建物の特徴となる面です。東西南北ありますが、写真は主となる西面。
ご相談を受け赴くと、特に南面は板の反りもあり一番傷みがありました。それと比べると、北面は塗装面にまだ多少の艶も残り、やり直しが必要ないぐらいにも見えました。雨の掛からない西の軒下面も塗装の傷みはまだ少ない様子です。広い前面道路の角地にあるので、四季を通じて陽はサンサンと当り、風雨に晒される経年変化が非常に分りやすく現れています。
こうして拝見すると、南面が一番厳しい環境なのだとよく分ります。
色変更のご希望もあったのですが、当初が黒なので濃い目の色を選んだとしてもムラがでないか心配で、費用を抑えるためにも間違いのない黒の塗り直しとさせていただきました。
当初塗装はステイン系木材保護塗料の中ではシッカリ色の付くタイプを選んでいました。今回も同じものを使う手もありましたが、傷み具合で吸込みも変わり塗りむらが強くでるのでは?と考え、塗りつぶしタイプで且つ、天然素材の顔料で色褪せの少ない木材保護塗料を提案させていただきました。塗りつぶしタイプの塗料ではツヤありがほとんどですが、ツヤ消し剤を使わずにベースがマット調の塗料です。(実際には半ツヤよりもやや押えた感じぐらい)
お願いした工務店さんには痛んだ外壁を一部貼り直しなど手を入れていただき、板張り全体にも押えクギの打ち直しを出来るだけ目立たないよう丁寧にしていただけました。
塗り直しが終わると、建築当時の勇壮さに戻りひと安心です。

