太陽光パネルの設置に少し思う事

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建って8年になる施主さんから、太陽光パネルの設置はウチの屋根でも大丈夫ですか?と問い合わせがあり、これを機会にしばらく振りの訪問をさせていただいた。
当初から物が少なくスッキリ過ごしていただいている様子は、お子さんが二人になった今も、謙遜はされるが充分に健在。捨てる技術の無い僕には有り難い施主様です。

ところで、太陽光パネルを載せられますか?と住み始めてから頂く施主さんからの問い合わせは、これまでにも幾度かありました。その度に、実は良い返事をした事がありません。どうぞどうぞ是非載せましょうと返事をした事がないのです。これは太陽光パネルを否定している訳ではなく、その取付けの仕方が設計者としてどうしても心配だから、つい正直に言ってしまう。
太陽光パネルの取付けは、屋根に架台をビスで固定するのが一般的です。瓦屋根だと簡単にもいきませんが、大抵の金属屋根・特に平坦な仕上がりの屋根だと、防水パッキンをはさみながら架台の脚を屋根の野地板めがけてビスで固定するしかない。これだと金属板のみならず下張りしている防水シート(ルーフィング)まで貫いてしまう。
頼りにするしかないパッキンにしても、雨風当り太陽ジリジリの劣悪環境でどこまで持ちこたえるのだろうか?孔を開けなければメンテナンスフリーに近い今時の屋根材料なのに、わざわざ心配の種を作ることになるだけ。それを考えるとどうも心地よい気がしないのです。

昨今の流れを汲むと、太陽光はますます拡がるのは間違いないでしょう。それを止めなければと思う訳でもありませんが、もう少しうまいように出来ないものだろうか?新築時になら孔を開けずに金属屋根に取付け金具を折り込む方法や、後付けでも磁石を使って取り付けると言うものまであります。ただ大抵の場合、選べるパネルメーカーや屋根メーカーに制約があったりと、施主さんの希望に必ず叶うものではない様子です。もっとオープンにしてほしい、と思うのですが。

お伺いした住まいは8年の年月を感じさせ始め、施主さんは今後のメンテナンスの事を色々とイメージされている。気になる事があれば、こうして時折ご連絡いただけるのが有り難いです。年数が経つほどに、伺うきっかけがどうしても少なく年賀状のやり取りだけになってしまう。前々から気に掛け始めて、去年ぐらいから伺う機会の少なくなっている施主さんに声掛けし始めたけど、正直思うほどには出来ていません。
今回また良いきっかけを頂いた感じで、僕には有り難い施主様です。

one-story house 

夙川の桜は只今、満開です。

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写真は一昨日の朝ですが、夙川の川縁へ桜を見ながら出勤。ほんの少しの寄り道で名所を散策できるのですから、春先にはいつも、ええとこ住んどんな、と思ってしまいます。

歩いていると、なにやら雑誌か何かの撮影でしょうか。どうやらモデルらしき親子(親子でないかもしれません)が、仲睦まじそうにしていました。その向こうによくよく見ると背広の営業マンやら、カメラマンぽい人影が。。。こっそり撮影させて頂きました。素人写真にしては絵になってますね。モデルがいいのでしょう(笑)

例年よりも早く咲いて暖かくなるかとと思えば意外に肌寒く、今年はお花見のタイミングが難しいですね。夙川は只今満開の様子なので、週末ぐらいにもう一度ブラブラして来ます。昨日は雨だったので、少し散ってしまったかな。

夙川公園(夙川河川敷緑地)の桜の開花情報 – 日本気象協会 tenki.jp

勉強会「ブラックウォールナットの製材」

IMG_1379先週土曜日に、午前中は岸和田の服部商店さんで催された製材の勉強会、午後は神戸・竹中大工道具館で催された「技と心のセミナー」に慌ただしく行ってきました。少し長いです。。。

第12回・服部商店商店勉強会「ブラックウォールナットの製材」

主に広葉樹木材を扱う岸和田の服部商店商店さんには、幾度かお世話になっています。木材の話を始めるとなかなか止まらない服部さんですが、この勉強会にはしばらく参加する機会が無く、しばらく振りに伺った感じです。これまで丸太からの製材は何度か見る機会がありましたが、今回の製材の様子はどことなく今までよりも「製材ってこういうことなのかな・・・」と少しだけ分かるような気がしました。おそらく気だけですが。

使われたブラックウォールナットの丸太は、周りに置かれていたものよりもやや小ぶりなぐらい。大きい丸太なら迫力もあったでしょうがそれよりも、まず二つに割られた丸太の断面の白太と赤身のコントラストが鮮やかで、これは磨く?とめっちゃ奇麗になるんじゃなかろうか、と思えたのです。2枚、3枚と縦割りの大きな板材が採られ、さらに寝かして小幅の板材を製材されます。スタッフの方が慌ただしくローラーに流される採りたての板の埃を払い、積み重ね、また切り出される板を受け取りに走る。服部さんは製材機の側で、切り出しの向きや厚みを自ら指示しています。およそ20〜30分の間でしょうか。

後の説明で、この20〜30分の間に木と会話をしているのだと言われます。素人目には何気なく流しているようにさえ思えそう。丸太の中に潜む節や割れを切り出される様子を見ながら判断し、考えながら大きな板ものを採り進めるか、小幅にしてしまうかを判断するのだと言います。
よくよく考えてみれば、服部商店さんの扱う商品は材木のなかではどちらか言えば高級品です。高い丸太をはるばる買い付けて、如何に商品価値を上げるか(利益を上げるか)は、この短い時間の判断になるわけです。幅広の板材が奇麗に採れれば、利も上がるわけですが、その表面に価値を下げる節がでたり割れが出たりすれば一気に台無し。場合によればわずか何ミリかの判断で値段が大幅に変わることもあると考えれば、簡単に「これで切っといて」とは言えなくなる訳です。恐ろしや。もちろん悔やんだり、間違ったと思われることもあると言われます。
そんな服部商店さんでの勉強会でした。

製材機で切り出しの様子です。>http://youtu.be/iIU4ItyNkhg

 

セミナー 鉋鍛冶「神田規久夫」

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「鉋-かんな-鍛冶「も作」銘・神田規久夫の記録

午前中に服部商店さんの工場を離れ、竹中大工道具館「心と技のセミナー」に向かいました。鉋鍛冶の石社修一氏の講演で「現代鍛冶技法の保存調査報告その1「鉋鍛冶「も作」銘・神田規久夫の記録」というタイトルです。それは、東京足立区の住宅地の中で、昭和8年生れの鉋鍛冶・神田規久夫さんが今も現役で仕事をされており、その仕事ぶりを同業の鉋鍛冶・石社さんがビデオにおさめた記録の公開と講演になります。
江戸大工からの背景もあり、もともと東京も大工道具(ノミ、カンナなど)の製造も盛んだったそうです。ですが今は、大都会に変貌する流れの中でそうした産業は土地の確保ができる地方に移り、個人で続けれるている方はほんのひと握り残っているだけ。道路から半間通路の奥、まさしく密集地のなかで昔ながらにトンテンカンとされる鍛冶屋さんがあるのです。生産を重視するメーカーだと、工作機械の設置や材料の入手や保管を考えるだけで、とても東京の街中では出来なくなる事は想像に難しくありません。
その対極、昔ながらの手仕事にこだわった数少ない職人さんの工房は、石社さんの言葉を借りればガラパゴス的に残ることが出来たと言う事です。神田さんは、ただひたすらに鉋の刃だけを作っておられるわけです。見せて頂いた映像も炉の火加減を見る為に特別な照明を当てる事もなく、実際に商品として作られる過程を2〜3週間掛けて撮影されたもの。作為的なプロモーションは全くなしなので、とてもリアルな感じがします。
おそらくは陽の目を見る事のなかった鍛冶職人の神田さんの刃は、たまたま鉋使いで有名な大工・阿保昭則さんの手に渡ることになり、見初めた阿保さんが神田さんを探し当てたところから、こうした記録になったようです。
メディアではこうした職人さんが取り上げられる事も少なくありません、ですが、神田さんのような職人さんは居なくなる事が必至かもしれません。話の始め、刀鍛冶は憧れもあって飛び込む若者もいるが、人目をひく事がない鉋鍛冶や鑿鍛冶は跡を継ぐ人がまず居ないと言われていました。先の大工・阿保さんは神田さんの鉋で3ミクロンという脅威的な鉋屑を削られます。鉋だけでなく、手仕事を支えるこうした本物の道具と技は、技術技術と声高にしていてももうすぐ無くなるのかもしれません。

より良い材を揃える服部さん、材を生かすために道具をつくる神田さん、機械化ではまねの出来ない何かがそれぞれにあり、それらが建設、建築の仕事、技術、思想を高めるひとつの要素になっている事に違いありません。でもいつか、それらは忘れ去られそうな何かになっている。ひとつでも多く、そうした何かを残せる仕事に関われたらと日ごとに思います。

ムジボックスで事務所の片付け

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今週は慌てる仕事がないので、このうちにと事務所の片付けを始めています。この場所に引っ越し当初、何も置かず心清らかにお香が似合うような部屋にしてやろうと心密かにもくろんでいたのですが、その思いははかなく崩れ去りました。ありがたくそれなりにワタワタとしていたと言ってしまうと何ですが、片付ける間もなく時が過ぎ、このままではマズいと思っていたところ。たまたま、近いうちに旧来の友人が事務所を覗きに行きたいと連絡をもらい、こりゃ良い機会と断捨離計画に踏み込んだ訳です。

残念ながら捨てる技術に乏しい私は、足下に拡がる書類やら、空きの机に横積みされた図面がなんとやら。さらにガラクタ好きな性分で自分でもよく分からないものがゴロゴロしています。意を決して大枚?はたいて muji のカラーボックス(ムジボックス?)をネットで7セットも購入。今朝到着して午後から組み立て始め、ようやくひと息ついたところです。このムジボックス届いてみるとなんと軽いことか。結構ペコペコで、コレ本詰め込んで大丈夫かいな。引っ越し当初に揃えた Iris のカラーボックスはすでに緩やかな逆放物線を描いています。値段も値段だし買っておきながらそんな事を言っても始まりませんが、ムジボックスはこの軽さのおかげで難なく終わった訳です。これだと女性でも無理なく組み立てられるよな〜、この微妙な頃合いは狙ってるのだろうか?違ったところで感心。

さらに、もともと考えていた場所に据えてみると、普段の自分の居場所からどうにも圧迫感があって、4本積み上げるつもりを急きょ計画変更。がしかし、偶然にも部屋の間口に平置きした2本のムジボックスがピッタシ。1センチのスキもなし。これも狙っていたのか?まるで建築家のような納まりに笑ってしまいました。終わって眺めてみると、なんだか違和感が無い。
住宅の計画でも作り付けの収納や家具を描いた後に、果たしてこの場所で使いやすいのだろうか?まさしく違和感はないだろうか?と、生活の様子をどことなくイメージして見ます。しかし出来てみないとなかなか分かりません。持ち込みの家具とのバランスやら、結構悩むものです。
たまにこうした模様替えをやってみるのは、ええシュミレーションになりそうです。

東古瀬保育園:竣工式を向かえました。

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あまりご紹介もせぬまま一昨年から関わっていた保育園ですが、1月の末頃に工事は完了しました。そして今日の午前中、創設60周年を迎えた記念式典も兼ね、空も晴れやかに竣工式を向かえました。

新しく出来上がった遊戯室で、およそ50人ほどの来賓でしょうか。和やかにも華やかな式に参列させて頂きました。式のオープニングには園児さんたちの可愛らしい合唱と合奏(しかも上手)。自分が最初から最後まで関わった建物で、こうした場面に立ち会うのは実は初めて。うるる。ちょっとした感動がありました。子供達を見てなのか、建物に思いが向かっているのか、自分でも分からない具合ですが、やって良かった〜って感じです。
そして市長さんの祝辞と議員さん方の祝辞が続き、私と施工された前川建設の社長さんが舞台上で感謝状の贈呈を受けました。そして、たどたどしくお恥ずかしご挨拶をさせて頂きました。理事長先生・園長先生に祝辞を述べ、同席されていた監督さんに感謝を述べて壇上を降りてきたところです。
その後しばらく歓談の間があり、お昼になったところで厳かに式が終わりました。

今月の中頃、5歳児達はきれいになった遊戯室で卒園式を向かえます。そして緑が色づき始める4月には入園式。今日の子供達の演奏を見て初めて、住宅を通した個人との関わりとはまた違う、地域や社会に還元する建築の仕事というものを少し感じました。

写真のお線香は、園はお寺が母体と言う事もあり、「お寺さんらしく」と理事長先生から感謝の記念として頂きました。お高いお線香です。これでまた新しい発想を起こしてください。と笑われていました。

追記:
頂いたお線香をネットで調べてみたら、その商品は見つけられませんでしたが、この「伽羅(きゃら)」というのは、東南アジアで採れるのジンチョウゲの香木の中で最高クラスのものを指すと知りました。伽羅と書かれた商品は線香屋さんサイトで見るとひと束ン万円するものもあります。そうとはつゆ知らず折角頂いたのでと、何も考えずに1本焚いてしまった。う〜わ。
確かに帰りの車の中でもよく香るな〜と感じていたし、次の日事務所にくるとほんのりと良い香りが匂っていました。きらいじゃ無いので、自分でも時たま点けてみたりしてましたが、これは全く違います。
良き発想への計らいに、との事でしたが知ってしまうとむやみに使えません。。。。

蓄熱暖炉っていいかもです。

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去年の秋終わりに竣工した滋賀の住宅にお邪魔した。
遅まきながら完成のお祝いを持参しながら、この住宅に設置したメースンリー蓄熱暖炉がいかほど活躍しているのかが、ずっと気になっていた。暖かくなってしまう前になんとかの訪問です。現場で積み上げる暖炉を計画したのはもちろん初めての事。施工してもらった暖炉屋さんの話だと、日本でもまだ施工例の少ないスタイルの暖炉だそう。疑っていた訳ではないがこの蓄熱暖炉、燃焼効率が良いので日に1〜2度ひと抱え程度の薪をくべるだけでほぼ一日中ほんのりと放熱する。釜の中で燃え盛っているのは1時間ほど。後は熱気を逃がさないようにして積み上げたタンスひとつ分くらいのレンガに溜まった熱がじんわりと放熱される。

施主さんに伺うと、平日だと晩に1回くらい、休日なら朝晩2回くらいの火入れでちゃんと1日中温かさを感じられるのだそう。暖炉のある居間は、吹抜けもあってそこそこの空間になっている。そこを十分に暖めているので、続きの和室や吹抜けを通した寝室や子供室の扉も開けているのだとか。ご夫婦共に働きに行かれていて、そんなゆったりした生活スタイルでは無いはずだから、ちょっと心配していた。が、話を聞くうち、コリャなんとスバラシイことかと。。。

実は計画当初、電気式の蓄熱暖房を考えていた。そして、地震、原発、節電。。。そのまま進めていたら、どうだったのだろう。この蓄熱暖炉は生活スタイルもさることながら、そこそこコストも掛かるし、設置できる環境も考えておかないといけない。薪の調達も必要。どこにでも薦められると言う物ではないけれど、こうした自然のスタイルをもっと見直していかないといけない時代に、少しだけ先取り?したような気がします。

頂いたヤキイモがなんと美味しいことか。。。羨ましいです。

風邪と津波 〜 にしのみや津波ひなん訓練 〜

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先週末、僕が住んでいる地区を含んだ「にしのみや津波ひなん訓練」が行われました。予め配布されていた小冊子をしっかり見てなかったのが悪く、申込の必要だった「炊き出し」などのイベントを含んだ実地訓練に参加することが出来なかったのが残念。。。それでも自由参加?な避難場所を確認して回るスタンプラリーはせめてと思い、参加してみる事にしました。

当日朝10時、防災スピーカーから物々しいサイレンの音と地震を伝える放送が聞こえはじめました。訓練では、これから3分間の地震の揺れ。まずは「地震の揺れから身を守る訓練(シェイクアウト)」を行います。姿勢を低くし、物陰に隠れ、揺れを収まるのを待つ。話は当たり前のようだけど、自分の部屋を見渡すと隠れる場所が無い!?椅子の生活をしていないものだから、テーブルと言った気の利いたものが無いのです。いきなり訓練にならん!ウロウロする内に3分間は経ってしまいました。気が進まずにいたと思っていたヨメさんは、横でゴソゴソと避難袋になにやら詰め込んで用意に没頭している。もういいから、出掛けるぞ!ン?いや逃げるぞ!

小冊子に載っていた避難地図でまずは一番近場の避難場所(RC造3階建てのアパート)に向かう。市の係の方が立っている。ご苦労様です。そこでスタンプを押してもらう。3カ所回れば景品がもらえるので、次の場所に向かった。
2つ目の場所は、近くの公団住宅。古びてはいるけどRC造5階建て。実はその側には10階はゆうにあるマンションが林立している。ここで待機する市の方に、そうしたマンションは避難場所にならないのか?と尋ねてみた。オートロックが掛かっていたりで物理的に難しいケースもあり、民間のマンションは一軒ずつ相談しているところです。との答えが返って来た。なるほど、高いから安心と思って向かってみると、実は入れなくて慌てふためく。なんてコトになりかねない。参加したから気がつく、思い込みは危険です。
3つ目も同じような別の公団住宅。ここで景品はちゃっかりゲット。
折角なのでもう1カ所、さらに北へ向かって定時制の高校校舎。目の前は日常的に通るのですが、入ったのは初めて。ゆったりした造りの校舎に実は驚いた。それはともかく、この高校が市とは別に地元住民に向けて主催している講演会を聞かせてもらって、訓練の締めくくりには丁度よい具合でした。あ〜腹へった。

と日曜日を有意義な始まりから向かえたはずですが、スタンプラリーに歩き始めた頃から身体のだるさを感じ始めていて、高校の講演会が終わるころには少々のぼせ気味な状態。自宅に帰った瞬間から、布団に逆戻りしてしまいました。それから二日間は身動き出来ず。火曜日もうろうと仕事場には行ったものの何も手が付けられず。熱は下がっても神経に障る痛さがいつまでも残る。もしインフルエンザにでも掛かっていたら、週末の約束も断らないといけないかも。
ともかく確かめようと病院に行ったら、ただの風邪の様だから、様子見ね。と言われてしまった。

しかし、身動き出来なかったこの間に、もし津波が本当に来たら? もしかしたら、波に飲み込まれる運命になっているかも知れない。真面目に、健康だからこそ逃げる事は出来る。と思ってしまったこの1週間は、なにより訓練だったかもしれません。

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森のおはぎ

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ディスプレイにまず参ってしまった。昨日、所用で出掛けた豊中市役所の側(阪急岡町駅)で、こじんまりしながらも目を引く和菓子屋さんを通りすがりに見つけた。若いお母さんらしき二人の女性客がなにやら覗き込んでいる。近づいてみると、写真のようにおはぎがかわいく並んでいるだけ。創作的なおはぎは色合いも地味な感じもなく、質素ながらセンスの良い感じ。

店の奥から出て来たお姉さんに、変わってますねと言うと。みんなオリジナルなんですと返って来た。季節ものと言うおはぎは、小振りながら2百円を超す。ちっと高いな〜と思いつつも、オーソドックスなおはぎを入れて4種類買って帰ってしまった。

晩に義姉さんのマンションでヨメさんと3人で試食。おいしいやん、コレ。

店のしつらえと同じように、甘過ぎないアンコの素朴な味わいのおはぎ。これでもかって感じは無く。でも口にするとツブツブした餅米に微妙に雑穀を混ぜてあったり少しずつの工夫があって、意外な感じが嫌み無く、とてもさじ加減の良いお味でした。一同満足。

次の機会はなかなか無さそうですが、機会があればぜひ寄ってみたいお店でした。

セミナー「お茶室の壁の作り方」

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ラス下地・・・本文の内容とは違いますが。。。

 

今日のお昼、竹中大工道具館の「技と心」セミナーに行ってきました。
「お茶室の壁の作り方」と題された学芸員の方の講座なので、歴史や様式的な話が中心だろうと勝手に思いながらいたのですが、話が始まってみるとむしろ仕様や技巧のずいぶん実践的かつ専門的な話を聞く事が出来ました。先の数寄屋展で協力もされている京都の左官屋さんから聞かれた話を元に学芸員さんが解釈を交え、土壁(特に茶室の壁)の技術・技法や、左官と言う仕事の奥深さの一端を垣間見る事が出来たように思います。

左官と言えばすぐに思い出すのは鏝(コテ)ですが、その種類は1000を越すとも言われているそうです。曲がりの角や壁の出角に平たいコテでなく、折り曲がったコテや現場に合わせた半円のコテを用意されるくらいの事は知っていましたが、一般的に平にだけ思っていたコテには、ゆるりと膨らんだり凹んだりしているコテがある事は認識していませんでした。下塗り、中塗り、上塗りと言った工程またその工程内でもコテは使い分けれられているのです。接する面の違いでべた〜と塗るためのコテ、繊細に面の凹凸を感じ取りながら細筆を引くように使うコテ。そうです、コテは絵筆と全く変わらない。

話は変わりますが、現存する茶室は数多くあります。僕でも多少は見学に行きます。その折、薄汚れたというべきか味があると言うべきかは別として、古びた壁を見ながらう〜んイイものを観た。とたびたび感慨に浸っていたのですが、建設当初の土壁と言うのは実はほぼ全くないのだそうです。土壁の持ちというのは、つなぎの糊が入ったもので6〜20年、入っていないもので50年ほどとの話。しかも間が開くものだから師弟間での技術の伝承が難しく、復元はその都度改めて考えながらされているのがほとんどだとか。まあ永久って事はないだろうとは思っていましたが、感動してきた壁のほとんどがリメイク?だったとはつゆ知らず。ちょっとしたショックです。

そんな話を皮切りに、一般的な土壁と茶室壁の下地の違い、材料の気の使い方、土の種類などなど、ひと言で書くのはなかなか難しいお話をたくさん聞く事ができました。中でも面白かったのは、節がある柱への墨付けは墨壷に糸よりもテープが便利だとか。土を寝かせても思われていたほど強度が上がる訳ではないのだとか(施工性は格段に上がります)。

茶室と言う意匠(美)の探求こそが、左官に限らず職人の技術や材料や道具の発展を牽引してきたのだな〜。いちいち妥協していては、そうした事はなし得ないのでしょうね。建築道はまだまだ遠く果てしないです。

Nスペ「世界初撮影! 深海の超巨大イカ」 〜ダイオウイカ〜

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ご覧になられたでしょうか? NHKスペシャルのダイオウイカ。

う〜ん、いや〜、スゴかったですね。食事の用意をするヨメさんを横目に、すっかり釘付けになってしまいました。黄金色のダイオウイカが現れた瞬間は、まさしく感動ものでした。マッコウクジラの生息数を考えれば深海にはダイオウイカはウヨウヨいるはず、と動物番組かなにかのうつろな記憶はありましたが、まさしく動いた本物がすぐそこに。巨大怪獣さながらの映像に、ガメラもモスラもネッシーも本当はいるんじゃないかって気がしてきました。
でも番組を観て一番感動したのは、40年もイカタコの研究に没頭しダイオウイカを追い続けて来た窪寺恒己博士の軌跡です。すごい人がいるものです。泳ぐダイオウイカの姿を愛おしく見つめる博士の目は、気のせいでしょうか潤んでいたように見えました。思わず拍手です。
技術の進歩があってこそと言え、成果もなかなか上がらず、人に認められる訳でもなく。それでも信念を貫いて黙々と続ける事の辛さは、誰でも知っていること。博士がアスリートなら、まさしく金メダルに違いありません。

これを機会に怪獣映画が復活しないかな〜。

幻の深海巨大生物|NHK海 Ocean and Planet

金丸座〜正月のこんぴら詣り〜

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西宮のえべっさんも終わってしまい、そろそろ正月気分も正さないとついついだらだらとしてしまいそうな軟弱者なのですが、この正月に家族と「こんぴら詣り」に行ったので、今年始めのブログはまずはそこらから。

石畳の階段が本宮までだと785段、さらに奥社までだと1368段あることで有名な金刀比羅さんですが、そのふもとに「金丸座(旧金比羅大芝居)」と言う日本最古の芝居小屋があります。実はそんな事も知らず愛ある家族に教えてもらい金平に着いた日の夕方、さっそくに見学に行きました。建築されたのは天保6年だそうなので、およそ175年前くらい。昭和45年に重文指定、その後に現在の場所に移築され復元、耐震工事が4年を掛けて行われたそうです。

大屋根の掛かった外観は結構大きく、ちょっと低めな木戸の入り口から中に入ってみると、歴史を感じる玄関ホールがまずいい雰囲気です。思わず高揚し観劇気分に浸りながらそのまま観客席に向かうと、天井が高く思いの外の大空間にさらに感動です。格子に区切られたぶどう棚と呼ばれる客席を横目に、正面の舞台までそのまま進んで役者気分。袖から奥の楽屋を一巡して、さらに舞台下に。幾重にも連なる柱梁の中に、廻り舞台とセリの仕掛けが目に飛び込んで来ると思わずはしゃぎそうになります。2階の客席から優美な舞台を見下ろせば、一度はここで生の芝居を観てみたくなってきました。見所満載!

案内のおじさんの話では、移築当時実はそうしたイベントを行えるようにする予定は無く、あくまで文化財の保存・移転が主で、演劇など興行に向けての設備その他の対応はされていないとの事。なので、当時のままの仕様、江戸時代ままの姿が基本となっている訳で、夏は暑いし冬は寒い、釘は打ってはいけないなどなど。一般の演劇公演はまず無理、裏方も文化財の使用を心得ている方で無いととても使えないのだそうです。特に電気工事はエラい事になりそう。確かに時計ひとつ梁間に板を挟んで直接釘を打つような事はされていません。そんな訳で今は唯一、年に一度だけ歌舞伎の興行が行われているだけだそう。

さて年に一度の興行、この4月に市川猿之助の襲名披露があったりするのだけど、行くか行かぬか迷っているところに、先日NHKで市川中車(香川照之)の番組を観てしまいやっぱり大阪松竹座にしとこかな、と新年早々の浮気者です。

今年一番の出来事〜あくまで私事は、iPad です。

NoteTakerHD with iPad

相変わらず滞ったブログ更新ですが年末なので、やはり今年のまとめでも。
毎年毎年、暮れになると何故か忙しく年賀状もままならぬまま新年を迎えることが多いのですが、今年はちょっと落ち着いた年越しを迎えられそうな気配でした。それがどうも雲行きが怪しくなってきました。何故に年越しに仕事を急かしてくるのでしょう?〜トホホ〜。そんな訳でややヤケッパチな気分で只今、年賀状をプリントしつつコレを書いています。

それでも今年もなんとか無事に過ごせました。
今年一番、自分にとっての一大事は、去年のちょうど今頃に” iPad “を手に入れてたことに尽きます。大袈裟に言ってしまうと、iPad が無ければ今年一年を無事に過ごせたかどうかとさえ思えるぐらいです。もちろん手に入れる前からそんな風に思っていた訳ではありません。どう使えるのなんか正直分かっちゃいません。ともかくマック好きとして手元に置いておきたいアイテム。購入時点で、そんな方は多いはず。

プレゼンに使うのですか?とよく聞かれます。多少は使いましたが、むしろ実務に活躍してくれました。
今年は運良くちょっと大きな物件に携わりましたが、工事の図面のやり取りはほとんどこの iPad で済ませています。打ち合わせのメモやノートはもちろん。A1サイズで描かれた施工図を、事務所のA3プリンタで出力しても書いてある文字が小さくナニがなんだかさっぱり分かりません。なので、打ち出したプリントで全体を把握しつつも詳細は全て iPad に入れたアプリで確認して行く。と言った手順です。しかもそこで書き込みして、そのまま施工側へ返信。う〜ん、なんて便利。これを今までの紙ベースでやっていたら、幾枚もの無駄コピーが発生し、後々見ることもない図面の山積みが出来上がりますが、それも最小限で済みました。
製品をネットで確認するなどはもちろん。よく見るカタログデータを打合せに合わせて入れておいたり、欲しい部分だけをストックしておく、それを後で見るのにもとっても便利だし、なにより、デスクトップの画面に食らいつくよりもずっとラクチンです〜コレが一番、肩こりが絶対少なく済みました!〜。打合せ中に検索して、その場で伝えることが出来たことも幾度もありました。
ちなみに、手持ちの iPad は Wi-Fi なので常時ネットに接続できた訳ではありません(必要な時だけ端末形態です)が、十分に活躍しています。

周知知れたマック好きである事は否めませんが、それを差し引いても「コレは便利、ホント便利」と聞かれる度に随分言いふらしていたこの一年です。スティーブ・ジョブズ氏の逝去は本当に惜しい。コンピュータのあり方を誰も思い描かない形で一変させたと、この一年を振り返るだけでも本当に思います。
ものづくりのあり方さえも考えさせられるきっかけになったと思っています。

折角なので、最後にお気に入りの仕事系アプリの紹介で今年を締めくくり。

Note Taker HD
フォルダ管理の出来るノートアプリ。打合せノートからPDF図面のやり取りまで、ほぼこのアプリ一本でやってきました。ただ英語版のみなので、使い込むまではちょっとひと苦労するかもしれませんが、現時点一押しアプリです。動きが速い訳ではないので、どちらか言えば落ち着いて整理系でしょうか。

i手帳HD
スケジュール管理は普段はグーグルカレンダーを利用していますが、同期もできて便利です。

SideBooks
PDFビューアです。PDFへの書き込み等の機能はありませんが、幾つか使った中で一番ストレスなく閲覧ができるので、カタログ保管に重宝しています。

Touchwriter HD
i手帳と同じ開発元の手描き系メモ書きアプリ。紙にメモを書く感覚に近いので、すぐ手に馴染みます。起動も速い方なのでこれでメモを取って、覚え書きにしたり、タスク管理として自分にメールすると言う使い方を主にしています。NoteTakerに対してこちらは現場系。

iCata
建築系カタログ閲覧アプリ。これがあれば、登録がなかったり、冊子が欲しいお気に入り製品のカタログだけ取り寄せれば済みます。

PDF Split&Merge
PDFデータの分割・結合アプリ。カタログの一部を自分用に整理するなどの使い方です。これで整理してから、SideBookに入れたり。

ほかに定番として Dropbox(ストレージ)や  Evernote(ノート)。趣味やお遊び系としては、別にお気に入りアプリもありますが、それはまたいずれ。何にしてもどんどん使いやすくなるにつれ、アナログ感覚に近づいて行くのがホント不思議です。

ちょうどボチボチ年賀状の印刷が終わりかけてきました。
それでは皆様、よいお年をお迎えください。

「船坂ビエンナーレ」に行ってきました。

先日、「船坂ビエンナーレ」という地元西宮で開催されているアートイベントを覗きに行きました。平日だったので足場も悪い山の中、誰もいないんじゃないかと思っていたのが、そんなこともなく、失礼な事を思っていた事を反省。実は僕自身、イベントそのものよりも一昨年に閉校になった「船坂小学校」の校舎が、公開されている事をテレビで知って、それを見に来てみたかったのが一番の目的。また、この辺りはまだ茅葺き屋根の家屋が残っている事を、現場に向かう行き帰りに車の中から気になっていたので、これはいい機会。ヨメさんを無理矢理連れ出し来てみたのです。
半日もあれば見て回れるかなと思っていたのも甘く、作品も思った以上にあり、船坂の山間をエッチラコッチラ朝から夕方までビッチリと楽しんでしまいました。ビエンナーレは、この日曜日で終わってしまいますが、プログラムを改めて見ると期間中にいくつかイベントもあって、もっと早くに来てみれば別な楽しみ方も出来たかもしれず、後になってやや後悔です。
それはそれで、車で通り過ぎるばかりでずっと気になっていた船坂付近を歩いてみることもでき、地元でこうした催しに参加も出来、改めてよい環境で過ごしているのだな、と感じます。気軽に来れる良い機会にもなりました。(このビエンナーレは、少々宣伝不足な気もしますが。。。)
ところで、写真には船坂小学校での教材なんかも写ってます。すべてアート作品ではありません。あしからず。

展覧会「数寄屋大工」

しばらく前の事になりますが、竹中大工道具館で開催されていた「数寄屋大工」展と同時開催されていたセミナーに行きました。
展示されていた実物大の茶室構造模型はさすがに迫力があり、外から観るだけでなく内部にも入れるので、ふ〜むふむと顎をさすりながら小さな空間を幾度も往復。規格にはまった材木を使い、金物だらけにしている普段の設計とはまるっきり違います。あ〜なんて軽やかなんだろう。目的が違うと言ってしまえばそれまでですが、こんなにも自由に考えられるのか〜と、ため息。ついつい枠にハマってしまって固くなった頭をほぐす必要があるような気さえしてきます。
もちろんひとつひとつの材料も違えば、隅々に至る手仕事の掛かり方も違います。それをそのまま自分の仕事に置き換える事はままならぬことですが、そこにあるエッセンスみたいなものを少しでも加える事ができれば。

先日に書いた料理家の辰巳芳子さんしかり、今回書いた数寄屋建築を支えた名匠しかり。どちらも自分の立ち位置をしっかり見つめて本物を作られています。決して小手先ではない。違う世界ではあっても、根底にあるものは変わりません。

ちょっと仕事が落ち着き間が空いて、ボヤっとしたところに喝を入れられました。何をするでもよいのだけども、常に自分の立ち位置を見つめて仕事をしたいと感じているところです。

ピカソのタオルハンカチ

先日、突然に送られてきたリボンの掛かった箱。ハテ?宛名を見ると、菓子工房のシマリスさん。開けてみてヒョウ〜。なんとも嬉しい箱詰め。しかし、ナゼ?
次の日にメールが届いた、6周年記念のノベルティだとか。
アリガトウゴザイマス。
そうすると、このシマリス「ピカソ」はおよそ一年遅れの生まれで4歳なのか?
ともかく自分の作ったキャラクターが、ナントもう5年も使っていただけるだけで、嬉しいばかりです。しかもこんな立派に。。。うう。

創作菓子工房 Simarisu

映画「天のしずく」

一週間ほど前になりますが、「天のしずく」という映画を観ました。ご存知の方も多いと思いますが、NHKの料理番組でお見かけする料理家・辰巳芳子さんのドキュメンタリー映画です。と書きましたが、僕は正直どこかで見たことあるような。。。ぐらい。スミマセン。

しかし映画を観てなんと言うか、いろいろ考えさせられました。自然農法などの手を掛けられた食材で、ごく普通の料理をどこまでも丁寧に作る。農と食を通して思想を語る姿は、伝統を守る建築家や大工さんの様でもあります。
映画は、辰巳さんの主な料理と調理の様子を、食材にまつわるエピソードを含めつつ順に紹介して進みます。中でも「いのちのスープ」と呼ばれる辰巳さんの亡きご主人のために作られたスープは、その作法を習いに料理人、医療機関の方など全国から人が集まるのです。そして、そのスープに救われた方の物語が続きます。

そりゃその方がイイのは分かってるよ!と言ってしまいそうなひとつひとつの積み重ねに、ともかく安易さがなく、いい加減な簡単レシピ?で済ませようとする真逆な日々の食生活に釘を刺された。そんな感じです。(決してヨメさんの事を例えた訳ではありません!!!)いろんな意味で余裕がないと出来ないと思ってしまう。。。
自然素材〜伝統工法〜などなど。それらと程遠く、簡単レシピに流されている我が生業と重ねて観てしまうところが多数。チクチクした後味がします。ただそれも数ある味のひとつと言ってしまうとそれまでですが、決して忘れてもいけない味だとも思いました。
機会あれば是非、ご賞味ください。

 

オープンハウスが終了しました。

先週の土日、滋賀の住宅のオープンハウスが無事終了しました。
お越し頂いた皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。

ここしばらく手掛けさせていただいた木造住宅の中でも、一番「木」を意識した住まいでした。元にあった祖父の家に対する施主さんの思い、こだわりの工務店さんにお願いした経緯、また木造民家が多く建つ地域の歴史、どこまで自分が応えられたか定かでありませんが、ひとつの経験をまた頂きました。
施主さんはこの住まいで家族の歴史をこれから刻まれて行きます。子供たちも成長するなかで、この住まいが皆に愛されてもらえることを願ってやみません。

鋳物装飾材をはめた木製内窓

少し前に少しだけ紹介した保育園の工事もほぼ完成に近づいています。ところどころに鋳物飾りをはめ込んだ内窓を備えていますが、思った以上にいい感じです。この窓から保育士さんが子供の様子を確認したりするのでしょう。これまで普段の住宅設計では装飾材をあまり使わないスタイルですが、いざこうして出来上がると評判も上々だし、素直に悪くない気がして自分で何度も覗き込んでしまいます。
初めて設計をさせていただいた保育園ですが、施主の理事長先生や園長先生の意向もあって、全体的にちょっと大人っぽい感じに仕上がってきました。子供たちにはどんな反響があるのか楽しみにしています。
近い内、新園舎は仮使用になり園児たちが移ってきます。工事の間、園児たちからは園庭を挟んだ仮囲いの上の屋根しか見えていないのですが、幕が外れて全貌が現れたとき、歓声が上がってくれる事を祈るばかり。そこまで後、もうひと息です。

ジョーは死んでいるのか?「ちばてつや展」

大手前大学で開催されている「ちばてつや展」に行ってきました。しかも、嫁さんが申し込みしてくれていた3時間にも渡る講演会とトークショーを併せて聴いてきました。あの「あしたのジョー」の生のちばてつや氏を見るのはもちろん初めて。実物の原画を観る事もできましたが、直の話を聞けたのは本当に良かった。嫁さんはファンになったと言ってしまうほど。

前半の講演会はダレン・J・アシュモーさんと言う日本で教鞭を取られているイギリスの方の話。日本の漫画文化が海外(特にイギリス)でどのように捉えられているのか、自身の記憶と重ねて年代を追いながら興味深くお話ししていただきました。その中でも漫画の主人公のあり方について、ジョーをはじめとするリアリティのある等身大の人間像を描く日本の漫画は、憧れても縁遠い描かれ方をする欧米の主人公像と違い、奥深く革新的であったと語られています。

後半に倉田よしみ氏(味いちもんめ)の進行で、ちばてつや氏とモンキーパンチ氏のトークショーです。年代に差があると思い込んでいた両氏はわずか2つ違い。恐らく対極に近いぐらい違う世界観のあるお二人は、作風の通りずいぶん違った経緯で漫画家への道に進んでいくのが鮮明で、「トキワ荘」とも違う少年漫画・青年漫画創世記の様子が垣間みれる興味深いお話でした。にしても自分の父母と変わらぬ世代。未だ現役でいる両氏の様子は、率直なところ脅威的です。
さらに正直言えば、ちばてつや漫画を最初から最後まで読みきったものがありません。ジョーや国松はほとんどアニメしか知らず。鉄平は後半半分くらい。松太郎や向太陽は前半くらい。知っているけど、ほとんど知らない。だけど知っているような気がする。なにげに喫茶店で手に取った漫画雑誌でも、ちばてつや漫画は前後のストーリーを知らなくても違和感なく読めてしまう(気がするだけかも)。なんとも言えない安心感のあるストーリーやキャラクターは、いったいどういう事だろう。
そんな謎が今日のトークショーを聴いて、ちば氏の素朴で丁寧な受け答え、分かりやすい話口調。そして「紫電改のタカ」の話の際には、当時の特攻隊員の話に思わず涙する人柄。人を愛する純粋さに全てが合点し、更には感動さえ頂いた感じがします。

ジョーは死んでいるのか?この問いに、ちば氏も分からない、決めかねているのだそうですが、ある講演会で解剖医の方に、ジョーの白い灰になった座り姿は死んだ人の様子では無いとの解説を頂いたという話に、会場は最後にまた盛り上がりました。

あした天気になぁれ!ちばてつや展 | 広報活動 | 大学案内 | 大手前大学

オープンハウスのご案内(終了)

比叡山延暦寺のふもと坂本にて進めておりました2階建ての木造住宅が近々完成となります。 この度、施主様のご厚意により見学会を催す運びとなりました。

「 ディア・ノスタルギッシュ・ハーンホーフ 」
懐かしい駅舎と名付けられたこの住まいは、この地に元あった建主の祖父の家の記憶が漂いながらも、新しい家族のこれからの生活への分岐点となります。いろいろな想いが、木・木造にこだわる宮内建築さんの手によって施工されました。

2012年10月20日(土) ~ 21日(日) 午前11時〜午後5時 / 滋賀県大津市
オープンハウスは終了しました。

見学ご希望の方は、こちらの<連絡フォーム>からご連絡ください。
ご連絡頂いた方には、ご案内のチラシをメールにて送付させて頂きます。

見学ご希望の方は、こちらの<連絡フォーム>からご連絡ください。

枕木調達

今日は、ちょっと楽しい体験をさせてもらいました。完成間近の住宅で、外構に枕木を使おうと言う事になりましたが、その枕木の調達に施主さんが自ら電鉄会社に連絡し、廃品の枕木を安く分けてもらえる事になったのです。と言う事で本日、現地へ。

ここは京阪電車の枕木置き場。そう、普段来る事がないだろう、まさしく線路脇です。いくつか積み上げられた枕木の山の内から、廃材扱いの枕木を選別し、係員さんの見守る中、トラックに手持ちで積み込みました。クレーン付きのトラックで来た方が良いよ、と言われていたはずですが。。。工務店の親方と若衆一人、施主さんと私4人で、24本。久しぶりの肉体労働に、明日は腰が立たないかも。

ガーデンショップで売られている模造品では無く、まさしく本物。なので、痛み具合はバラツキありますが、施主さんは満足そう。仕事後のお茶が美味しい。まだお昼なのです。残念。

思い込み〈木の知識〉

思い込みとは恐ろしく罪なこともあります。本日アマゾンから届いた本をパラパラとめくりながら、あ〜ナンテコッタ。と思うのは僕だけではきっとないハズ。(そう思いたい)

そこには例えば、年輪は南側ほど広い、、、のはウソ。と書いてある。そんな書き方ではありませんが、え、何それ?。山や森で方向を見失った時は切り株を見れば分かると、基本中の基本のようなこのサバイバルの基礎知識を誰に教えてもらったかは定かでないけど、きっとそう習ったハズ。(そう思いたい)
もしそれ(年輪は方向と関係ない)が本当なら、 昔の大工さんは木の生育を見極めて、柱を南には南向きの面を、北には北向きの面を向けて使っていた。といった話は、実はどこまで信憑性があるのだろうと疑ってしまいそうになる。製材されて四角くなってしまった柱を、カンナを掛けてゴロゴロ(でないけど)引き回した木材の年輪以外に何を見ればよいのだろう? 節の様子? 枝の生育も東西南北は関係ない。と書いてある。う〜手触り? いやいやまさか。伐採から製材まで生育方向を管理するなんて、今だろうが、昔だろうがちょっと現実的な気がしない。でもやっぱり昔の大工さんはスゴイと思いたい気持ちも半ば、いったいそうした話はどこから湧き出るのだろう?

思い込みとは少し違うけど、木は生きてるとか呼吸してるとか。これもウソな訳で、木材は科学的、生物的には死んでいる。ケンシロウが言う間も無く、立っている最中からそのほとんどは死んでいるのだ(そうだ)。科学的根拠はともかく、誤解を生むような言葉を自分自身も発している。プロとしてこれはどうか?直接に材木を売る商売をしてる訳ではないが、エンドユーザーに対して噓も方便で済ませられるだろうか?なんだかな、と思い始める。

木材の話だけに限らず、いっぱいいろんなところで、思い込みの知ったかぶりを撒き散らしている気がしてならない。罪をコレ以上積み重ね無いようにするには、盲目的にならずただただ勉強するしかなさそうだ。という前に、まだ読み始め。。。!?

プロでも意外に知らない〈木の知識〉– amazon

気がついたら、秋の気配が。。。

夏の差し掛かりからすっかりブログの更新を怠っています。少々忙しかったのもありますが、どことなく調子に乗れずズルズルと。それでも、なんとか仕事はガムバっております。今はようやく完成に近づいた住宅と、棟上げを済ませ内装工事に取りかかり始めた保育所の現場を進めています。久しぶりに、ほんの少しですが近況を報告です。

  

去年の暮れから取りかかり始めた木造住宅が、ようやく終盤を向かえました。なにやら気になるアイテムが見え隠れしております。こだわりの工務店さんに施工をお願いして、いろいろ勉強になった反面、奥の深さに思いやられています。

  

事務所初体験の保育所です。試行錯誤でようやくこぎ着けましたが、現場の監督さんからの図面不備の指摘に毎日悪戦苦闘しています。工事規模の問題とはまた違い、設計や監理業務の進め方や違いに戸惑いも多く、まだまだ考える事多しです。

そんなこんなで、熱風吹きすさぶエアコンが壊れて全く効かない車で、この暑かった夏を乗り切ってしまえそうです(笑)。涼しくなってきたところで、ぼそぼそと振り返り含めてご報告続けます。

TOYOTA Camatte 〜 未来の大人へのデザイン?

「東京おもちゃショー」でトヨタが発表した子供のが乗れる自動車が話題のようです。ネットで見つけて、こりゃかわいい。これ、乗りたいな。と素直に思った。で、併せて懐かしさを感じたのだけど、何故かと思えば、子供の頃にプラモで作ったドイツ軍の軍用車キューベルワーゲンとかにそっくりだからと納得した。そう考え始めるとなぜか不思議な感覚に捕われる。
子供の頃はなんにも考えずに軍事兵器に憧れをもって、プラモを買いあさった。全部作りきれる訳でなくでも、机上の棚につみ上がるプラモの箱を眺めて嬉々としていた。最近ならゲームにしかり、多くの男の子の軍事ものへの興味は今も変わらないだろうし、大人になった今の自分も実のところ嬉々としている。兵器ものの話に詳しい友人の話を、身をのりだして楽しんでしまう。これは、ウラ返せば平和って事なのだろうか。昔のことだと割り切れる自信は自分には無い。。。

もうひとつ思ったことは、なんとなく今の「デザイン」がみな懐古、回帰趣味に偏りすぎているように思えてしまうこと。デザインの流行が循環する事とも違うように思える。映画にしてもリメイク版が多いのとなんら変わらない。ネタ切れと言ってしまうと、同じようにものつくりをしている身としては辛いのだけど、自動車という一番未来を想起させるプロダクトには、次なるデザインを期待をしてしまっている。懐古趣味はマニアなところにとどめておいてほしい気がしてならない。単にあまのじゃくな自分は、右に習えが嫌なだけかもしれませんが。
言うは易しでも、未来の大人向けのデザインが、デザインのリサイクルでは寂しくはないだろうか。違う解答も併せ持っておいて欲しい気がする。

自分の事は棚に置いて書いておきながら、この「Camatte」が公道走れるなら、マジに考えてしまいそう。もはや意志薄弱。

 

「 Artree 」人にあげたくなるアプリ

artree

 

もう半年前になるが、iPod touch を「ポイント」を使ってただ気分で手に入れたのを皮切りに、iPad 2 と Macbook をほぼ同時に揃えた。ただ、CADを描いたりといった実務は PowerPC 旧マックのまま。要は、新しい Intel Mac を買ったもののCADソフトを新しく出来ないままでいる訳です。それでも iPad を手に入れて俄然仕事がしやすくなりました。図面のデータを入れて現場に出たり、カタログで製品を探したりするのもコンピュータをいちいち開くといった煩わしさがなく使えるだけで、どれだけ労働が軽減された事か。

昨日に友人が来てPC談義になった。その彼は Windows を使っているが、iPad を使い始めてその使い勝手の良さにMac に乗り換えようかどうか悩んでいる。データをやり取りする周囲の皆は無論 Windows で、なにを今更と冷たい視線らしい。ただ彼は、Windows であっても使っているソフトのアップグレードに高額を払うのも癪だし、こんな仕事してるんだから道具はカッコいいほうがイイに決まっている。と。

単純だけど、本当にそれは正しいと思う。それだけで、どことなくテンションもあがる。もちろん Mac にすればすべてが解決される訳でもなんでもなく道は険しい。あくまで道具だから、自分が使いやすいようにアプリを揃えたりカスタマイズするのが実は一番大変。でもそうすれば、それこそ iPad ひとつで仕事ができそうに思えてならないから、故スティーブ・ジョブズを本当にすごいと思える。

脈絡はないけど、つい最近見つけていれたアプリがお気に入り。人にプレゼントしたくなるアプリです。

ARTREE for iPhone & iPad – Hansol Huh

 

白熱電球への想い?

先日、夏の節電に白熱電球の販売・製造の自粛のニュースが流れて、仕方が無い事かもしれないが寂しい気持ちになられた方は多いのではないだろうか?。僕はその一人。
白熱灯好きの設計士は多いと思うのだが、その理由として一番は暖かみのある明かりの色ではないだろうか。電球型蛍光灯が現れて白熱灯を蛍光灯に切り替えてみても、食卓を照らす色具合はやはり今なお白熱灯の方が自然に見える(気がしている)。白熱灯は熱くなるので仕方なく電球色の蛍光灯にしてみても、どことなく料理が美味しそうに目に映らない。科学的に言ってみればスペクトルの加減なのだろうが、人工的に調整した蛍光灯のスペクトルは白熱灯にくらべるとデジタルな感じなのだ。デジタルカメラで撮った料理写真を一生懸命画像ソフトで美味しそうに見えるよう調整している訳で、本物?にはかなわない。

とは言え白熱灯も言ってしまえば科学によって創られたもの。それが、蛍光灯そしてLEDに取って代わられるのは自然な成り行きと理解も出来る。でもしかし、単純な仕組みで光る白熱電球は一番身近に感じられる科学だし、このエジソンさんの大発明に日本の竹があってこそ成り得た科学史が、ネットで読むアーカイブの一端になってしまうはあまりに惜しい気がしてならない。お父ちゃんが子供に話聞かせるにも臨場感はまるでなし、LEDの仕組みなんて今度は口ごもるに違いない。アナログ人間のそんなロマンチシズムも節電にはかなわないのが、やはり寂しいと思ってしまう。

ただ一方で変な世の中に思えるのは、発光方式も変わり本当はこだわる必要もきっと無いはずなのに、人は電球の形をいまだに追いかけている事ではないだろうか。電球型蛍光灯、電球型LEDと、既存の器具の白熱電球と差し替えるのに見た目と操作性に違和感が無い様にする為も分かるが、商品には何の意味か「リアル」と冠されたり、フィラメント風に光るLED電球も開発されて、バーチャルなアナログを演出する事に面白いと思う反面、このまま突き進むとますます何が本物か分からなくなっていく様な危機感を感じるのは考え過ぎだろうか。

 

鬼に訊け -宮大工 西岡常一の遺言- とダークシャドウ

立て続けに魔物映画2本。1本はジョニーディップ扮するドラキュラ映画。1本は実在の人物、宮大工・故西岡常一氏のドキュメンタリー映画。これを並べて書くのもどうかと思いつつもですが、お許しのほど。

観た順序とは逆に、鬼と呼ばれた西岡棟梁の映画から。
このドキュメントは平成2年から3年半にわたって撮影されたインタビューを中心に、西岡棟梁の人間像に迫ったものです。
建築に携わっていながら、知った大工さんの名を挙げろと急に言われれば、この西岡棟梁とお弟子さんの小川三夫さんのお名前ぐらいしか、恥ずかしくも思い出せないかもしれません。大学時代に少しばかり興味を持って著書を読ませていただいているが、それもほとんど頭に残っていません。たまたまネットでこの映画の上映を知り、思い立つものを感じ観に行った訳です。
仕事の多くで木造住宅をやらせて頂き、やればやるほどに面白く思える反面、奥の深さや難しさを感じるようになってきました。しかしこの映画を観、宮大工の仕事とは次元の違うまるで机上の空論で建物を造っているのだと、分かってはいてもがっくり肩を落としそうな気分です。その次元を差し引いて想像しても、経験を積み重ねて時分の仕事に確信を得るのは、遥か彼方な行程に感じざるを得ません。
もっと仕事に悩み「訊ける」方との関わりを持つ事が大事な気がしています。

西岡棟梁が健在な時分、僕は小学生時代に斑鳩に少し住んでいました。法隆寺のスケッチもしたし、遊びに行っています。もしかしたら棟梁とすれ違っていたかもしれない。いま考えるとア〜もったいない。(ドウシヨウもありませんが)

西岡棟梁が鬼なら、ジョニーディップはドラキュラで。ティムバートン監督のダークシャドウはとても楽しめました。よくは知りませんでしたが、最後のエンドロールでテレビドラマのオマージュ版と分かり、映画の作りにいろいろ納得。この映画は自分と同じ40代以上の方の方が楽しめるのではないだろうか。
ところで物語の中で、主人公のバーナバス・コリンズ(ジョニデ)がまだ幼いころから、築造を始めたお屋敷は完成までに15年の歳月を要したと話していた。装飾の多いああした洋館は一体どのくらいの工程で建つものかと、どことなく思っていたので、15年という数字は物語の本筋とは全く関係なくひとり納得していた。まあしかし15年もやっていたら設計変更なんてきりが無いのかもしれない。計り知れなく続く工事に、きっと耐えられなくなりそうです。隠し部屋や秘密の通路の設計者はきっと、数奇な運命に終わるのでしょうね。ア〜怖い。