「服部新聞」に掲載していただきました。

玄関扉

服部新聞は広葉樹を扱う材木屋・服部商店の社長さんが毎月発行している新聞です。材木に関するうんちくが毎回てんこ盛りになって送られてきます。材木の選び方、使い方、流通、産地などなど、様々な知識の引出しをを飾る事無く書かれています。記事は少なくてもA4が4ページ、それが61号にもなるのですから本当に頭が下がります。

資料請求をしたのがきっかけだったと思うのですが毎月新聞が送られて来るようになり、いつか材料をお願いしてみたい。最初はアメリカンブラックチェリーを「WAON」で棚板に使わせてもらいました。今回の「Cava」では、ウォールナットです。
服部さんに材料をお願いするのに電話をすると、毎回いろいろなうんちくを聞かされます。5分で済む用事が気がつけば15分、30分になる事もあります。そのお陰で材木のいろんな事を教わりました。教えて頂いたうんちくを隅々まで上手に使いこなせませんが、ひとつひとつ分って来ることで木を使う面白さが、ずいぶん分るようになれた気がします。

よい材料をちゃんと使うと言う当たり前の事が、まだまだ出来ずにいます。餅は餅屋。木の事はわしらに任せたらええのや。その服部さんの言葉を本当に理解できるようにこれからもお願いしたいと思っています。

取手いろいろ

先日完了した住宅Cavaでは、木製建具の取手を制作させて頂いています。見学会の際に好評だったのが、ランマの取手。アクリルの板をそのまま溝に滑らし、締め切ったときに両端の木の手掛かりが重なるようにしています。

古い建物を見学に行って、気になるのはいつも窓やドアや障子やフスマ。(多くは)動くことのない建物の中で建具は古来より動く装置ですから、建築に彩りを添える要素になります。なので、どうしても気になってしまいます。今までの物件のなかで一番木を見せた建物であった事もあり、金物など他の要素を出来るだけ控え、素朴さもありながらモダンで、かつ木の手触りが楽しめるような建具をめざしています。手の込んだ事をお願いしたので、少しでもコストを押えられる様、現場の造作で余った材料を建具屋さんにできるだけ利用してもらいました。

そうして出来上がった建具を施主さんに長く使い込んでいただき、より味わい深くなってくれると良いなと願っています。

竣工写真の撮影が終了しました。

月末の引っ越しを目前に写真家Kさんにお願いした竣工写真の撮影が無事終了。天気予報は晴れでしたが、現場に向かう途中やや雲が多いのでちょっと心配しました。が、午前中はおおよそ晴れたのできっと良い写真が撮れたと思います。と言うのも、撮影中は写した画像を見せてもらっていないので。

Kさんに丁度一年前WAONの撮影をお願いしたときは、フィルムカメラとデジカメの両方をぶら下げて撮影されていましたが、今回デジカメ一本でした。以前はガシャガシャとフィルムの交換がどことなく職人っぽくて良かったのですが、デジカメになるとそうしたところがないのでどことなく撮影に臨んでいる実感が薄い感じがします。しかも建物規模からイメージしていた撮影時間よりずっと早く終わってしまったので、なんとなく不安になり。つい失礼とは思いつつも、何枚ぐらい撮ったのですか?。と聞いてしまった。
そやね,同じカットもあるけどおそらく100カットぐらいかな。選別して70カットぐらいを見てもらう事になるんとちゃうか。選ぶん大変やで〜。
これまでの撮影に付き添ってフィルムだと、撮影に1.5倍くらい時間を掛けて、カット数は30〜40カット。おおかた倍ぐらいのカット数と言うことになる。時間も短いから3倍近い計算になる。ひえ〜そうなんだ。

夜景の撮影まで間があるので、Kさんが現場を抜けた間に自分で撮ってみる。3時間ほどで150枚くらいになった。ただ帰ってパソコンで眺めてみると結構なんだか駄作が多い。そう思うとやっぱりプロカメラマンはスゴいものです。撮った枚数と出て来た写真の数はそんなには違いませんから。

でもやっぱりフィルムで撮ってもらった方が、なんだかお願いした甲斐があったりします。いくらプロにお願いしていてもコンタクト(フィルムのベタ焼き)が上がってくるまで、ちゃんと写ってんのかな〜っていう一抹の不安もまた楽しみだからでしょうか。やっぱり古いのかな。

本当の活躍は来シーズンに持ち越しなのが、残念。

蓄熱暖房機

見学会の終わった物件に本日、蓄熱暖房機の設置。日本スティーベル株式会社のエルサーマットと言う置き型タイプの商品。丁度一年ほど前に完成したWAONにはじめて採用しましたが、寒さに弱い設計者としては蓄熱暖房の心地よさは使ってみるほどにお薦めしてしまいます。蓄熱暖房そのものはサーマ・スラブという建物に組み込んでしまうシステムを以前にも採用していて、こちらはやたらデカい置き型タイプと違い意匠を邪魔しないのですが、計画によって有利不利がでてしまうのとイニシャルが大きいため毎回の採用は難しいものがあります。その点置き型は採用がしやすい利点があります。にしても、機械の大きさとお値段が悩みの種になるのは同じかな。

前回に設置の様子を見のがしたので、今回は拝見しにいきました。暖房機の中身のほとんどは熱源の廻りにレンガが積まれて入っているだけです。そのレンガの多さで能力が変わるという単純なものですが、その状態を見るだけで、コリャ暖かいかもって思ってしまいます。レンガは酸化鉄だそうで、見るからに重い感じです。ひとつが7キロ、写真の機械で30個入っているのでこれだけで210キロになる計算。そう聞くだけで暖かい気がしてきますね。

丁度、洗濯機の設置に来られた家電量販店のお兄さんが横で、見慣れぬ機械に興味津々なご様子。ただ暖かくなり始めたところなので、今シーズンの活躍はあまり無さそうなのがちょっと残念です。

見学会は無事終了。

階段のひだまり

先週末のオープンハウスは快晴に恵まれ、無事終了。結局来客は身内ばかりでしたが、楽しい一日が過ごせました。普段なかなかキッカケがありませんが、久しぶりに会える面々と近況や世間話を聞ける良い機会になります。なにより足を運んでもらえるのが本当に有難いです。

お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

Ca va:オープンハウスのお知らせ

神戸市東灘区の住宅街で進めておりました約38坪地下1地上2階建ての木造住宅が近々完成となります。
この度、施主様のご厚意により見学会を催す運びとなりました。
住まいづくり、「家」にご興味ある一般の方も、ご覧頂く事が可能です。
下記フォームよりご連絡ください。追って開催場所等の詳細をご連絡致します。

  • 2011年2月19日(土) 午後10時~午後5時 *:雨天決行 終了いたしました
  • 神戸市東灘区(最寄り駅JR東海道本線・甲南山手駅)

評判のよい穴

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明かり取りの穴

この穴、ちょっとした工夫ですね。と言われるが、実はずいぶん悩んだ。おかげでずいぶん評判の良い穴となった。ここにガラスがはまり込んで完成します。もうちっと。

プレゼントの開封にも思える養生はがし。

杉の床

昼過ぎ、大工仕事がほぼ終わりになったので少しだけ現場に寄るつもりが、スッカリ夜までいてしまった。大工さん達が引き揚げ前に掃除と養生を外しはじめだすと、今まで倉庫の中にあったホコリまみれの包みの中からつぎつぎプレゼントが出て来るかのように思えます。現場では出来上がった順に傷がつかないよう養生されてしまうので、タイミングを逃すと出来上がった様子を見る事ができない。写真のこの箇所の杉板フローリングも今日はじめてのご対面。一部では見ていても全貌がつぎつぎ現れてくる様子にうきうきし、現場を離れず、ついに養生はがしを手伝い始めてしまった。

大工さんが気を使った仕上りが、見事な出来映えとなっています。

トップライトの明かりが暖かく。

トップライト

完了検査は終わったものの意外と細々残って、スッキリするまでもう一息。トップライトのお陰で中はほんのり暖かく、冷たい風のが吹いていても中に入ればホッとします。月が変われば洗い屋さんが入る予定なので、それが楽しみ。

完了検査が終わってひと安心。

リビング見上げ

相変わらず、検査の立合は緊張する。悪い事をしている訳ではないから後ろめたい事はない筈なのに、事が起きてアタフタしてきた(!?)トラウマに捕われているのかもしれない。朝一番の検査を一人で受ける。いい天気ですね〜とか言いそうなニコニコ顔で検査官の後ろについてまわる。そんな功が奏して?無事終了。今日は、これで仕事は終わった気分。

ただ工事はまだ外構が残っているのでもうしばらく続くのだけど、検査が過ぎればこの後はお気楽気分で現場に行けるのが嬉しい。毎日寒くなりそうな事を天気予報は伝えるけど、このところの晴天続きで日中は暖かくなった。クロスが貼り終わって陽がまわる明るい現場をウロウロしながら、改めて出来上がりを確認する。

足場が外れて、あともう一息。その二

足場が取れて勇姿を現した住宅。その夕景です。白くてスマートと言うよりも、ちょっとイカつい感じですね。

昨日来た時はお昼間で、良い天気で壁の白さに目がくらむぐらいまぶしく、正面の道路は照らされて明るく感じました。今でこれだと夏は眩しくて南入りの玄関に辿りつけないんじゃないかと心配してしまいます。結果、真っ白な姿となりましたが、実のところ計画当初は真逆なくらいに暗めなイメージでした。それはそれで良かったかも知れませんが、こうして出来上がってみるとそんな経緯をすっかり忘れるぐらいによい感じに仕上がりました。

足場が外れて、あともう一息

本来の主役は、快晴の中、花の奥にかすかに見える白い壁の住宅です。昨日ようやく足場が外れました。正面から見ても白い壁が際立っています。施主さんに白い家は初めてですよね〜。と言われた所。だからなのか、そうではないのか、これまでともまた違った印象の住まいになった気がします。

時間が掛かっただけ忙しさに流されず、設計も監理もいろんなところで勉強になり、いろんなところで考えさせられました。自分ではどちらか言えば基本に立ち返りながらと進めたつもりでいたのですが、どうやら廻りにはそうとは受け取ってもらえず、なかなかムズカシイものです。それもあと僅か。いただいた時間を無駄にせず、最後まで気を緩めずにやるしかありません。

内装では、今日、建具が取付けられ始めました。

色づきはじめ

久しぶりに現場報告。およそ半年以上前に棟上げの終わった物件が、いろいろ訳あってようやく仕上に掛かり始めています。大工さんも心持ち顔がほころび始めてきました。どんな現場やねんと思われそうですが。。。あまり聞かないでください。

写真はを階段裏のヒノキ集成材天井です。集成材と言え「ひのき」は「ひのき」ですね。洗い屋さんが丁寧な手つきでワックスを掛けてくれています。ほんのり色づき、壁面の白とコントラストが良い感じになってきました。

と言うコトで、この階段は上から見てももちろんヒノキ集成材の階段です。写真が逆さになっている訳ではありません。

屋根と壁に覆われ始めて、焦り始め。

この間、棟が上がったと思ったら、間柱が立ってサッシがはめ込まれ、壁が貼られて、ルーフィングが貼られて板金屋根が貼られて。。。工事がつぎつぎに進行して、かなり今は焦っています。

中間検査を間近に控え、検査が済めば電気屋さんや設備屋さん、断熱工事に取りかかる段取りなので、二人の大工さんが次々に進めてくれています。先日の打合せの時は、朝から夕方まで、ここはどうなるの?あそこはどうなるの?と一日現場をグルグルと廻っていました。現場に行けば、大工さんや業者さんのあれこれ質問責めに会い、答えれば当然その段取りで工事が進められ、こちらは次の事を考えておかないといけなくなってきます。
いくら基本図面で描けていてもやはり紙の上、イザ現場に立つと、こうしたほうがいいのか、ああしたほうがいいのか、迷った末に一に戻ってしまうこともあります。とは言え工事の迷惑になっていては申し訳ないので、先んじて考えておくのが大変。迷いが多いのがなかなか直せません。

棟上げ

2日間に渡り棟上げが行われました。一日目は土台上から2階の床まで 、二日目は屋根の野地板までの工程です。

一日目は曇り空。時々雨に降られてしまい思う様に進みません。それでも骨組みの半分強が立ち上がりました。前回WAONでもお世話になった棟梁、そして他物件でも顔なじみになった大工さんが手伝いに来てもらっているので、普段よりも安心感があります。

二日目は気温は低く肌寒いですが、晴天に恵まれました。澄んだ青空の中にさらに柱が伸び上がって行きます。ご近所の方も興味津々、立ち止まって棟上げの様子を一緒になって見上げられています。敷地の形状に伴ってスキップした階層は複雑な梁構成を造り、さらに見せ場にしている登り梁が複雑に絡み合っています。
図面で描いている時も分らなくなって行く化粧材の取り合いが、どこまで思っていたように組み上げられるか。見ていたつもりでいてもなかなか見切れず、意図していた状態と違ったところもありました。急遽、棟梁にお願いして部分部分に手を加えてもらったり、複雑な組様に、先生コレはムズカシイで、と厳しい顔つき。

おおよそ組み上がった昼過ぎ、板金屋さんと屋根納まりの打合せを少し。施主さん家族が現場に来られました。2階サンルームからは真向かいの家と家の間から神戸の海がチラッと見えます。さらにハシゴを掛けて吹き抜け途中にある梁に上がれば屋根越しにパノラマで見える神戸の海に大満足。山手中腹の南向きの家ですから、何とか海が見える様にならないだろうか。。。施主さんの希望のひとつを何とかクリアでき、ひと安心です。

大工さんは一日目の進行を取り戻すのに、二日目は遅くまで頑張って頂きました。本当にお疲れさまでした。

型枠撤去〜土台設置

一昨日、水曜日に棟上げが済んだところですが、まずは時系列に棟上げ前までの様子。

基礎打設が済み、しばらくはコンクリートの養生期間。その後ほとんどの型枠が撤去され、地階のコンクリートが現れてきました。棟上げまでの間、地階部分にあたる地中に埋もれるコンクリートの基礎・外壁に塗布防水を施しています。漏水した場合に備えて内部側での排水処理も用意しますが、一次側で食い止めるに越した事はありません。防水を済ませて埋め戻しまでは速やかに終わらせます。工事的にいつまでも、隣地との間に断層のような掘り込みがいつまでもあると不安なものです。

棟上げに備えて足場屋さんが来ていました。たった一人で組み上げていく様子に驚きます。昔の丸太足場から比べれば揺れも少ない鋼管の足場ですが、それでもヒョロヒョロと建つ足場の上を歩く様子に、こちらが怖くなってしまいます。

明日の棟上げを前に、土台の材料が運び込まれ、基礎の上に角材が並んで行きました。ようやく木造っぽさが出てきました。今回の建物は大きな梁も多いので、きっと迫力ある棟上げになるに違いありません。不安もありつつ楽しみです。

地階打設まで

1階床版と地階壁のコンクリート打設が無事終了しました。写真は連続した玄関庇とバルコニーの部分。

地階と言っても見かけは1階です。道路と敷地の高低差があるので、前半分が法規上の地階となっています。周辺の建物のほとんどは上がった敷地に玄関があるのですが、この住宅では、この地階部分からアプローチするようになっています。なので感覚的には3階建て。玄関脇の壁は打ち放しの予定なので、うまく打ち上がるかハラハラしています。

電気や設備の配管を進め、高低差の複雑な基礎高さを慎重に進めています。5月連休明けの棟上げで、木造本体がうまく載ってくれるかもドキドキします。

掘削〜基礎・地階型枠まで

工事がひとつ始まりました。現在すでに、掘削から配筋検査が終わり地階の型枠が組み上がろうとしています。

正面道路と敷地の高低差が約2メートル。法規上の地階が建坪の約半分弱を締めています。上屋は木造2階建て。高低差のある基礎に、同じく高低差の複雑な軸組が約ひと月後に立ち上がる予定です。基礎屋さんもプレカット屋さんも頭が痛そうです。無事に載っかってくれる事を祈るばかり。

ラムサウンディング地質調査

Ram-sounding

先日、ラムサウンディング試験という地質調査に初めて立ち会いました。少し聞き慣れない地質調査の名前です。

一般的に住宅設計の地盤調査に使われるものは、スウェーデン式サウンディング試験というものです。このスウェーデン式サウンディング試験は、どちらか言えば表層の地盤調査に向いています。なので、重量の軽い木造住宅に場合にまず行われる試験です。重量の重いRC造の住宅やビルになると、標準貫入試験(ボーリング試験)というものが一般的によく耳にするものです。このラムサウンディング試験は、その間を埋めるような試験のようです。
ボーリング試験とまで行かずとももう少し深層の状態を確かめたい、鋼管杭の支持地盤を確かめたいといった場合に有効な試験になります。

今回の敷地で先にスウェーデン式サウンディング試験を行ったところ、2M程に届かない深さで貫入が出来ずまま結果が出されました。もともと沼地であった造成地という前情報もあったことから、心配もあり再試験に至っています。
測定点2ヶ所からの結果としては、スウェーデン式サウンディング試験で支持が出た地盤から1M行かず一旦緩くなり、再び固い地層がIMほど現れさらに緩く、地山の固い地盤まではやはり少し深く行かなければ到達しないことが読み取れました。試験の最終深さは10〜12Mです。

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