命名「 NOYA 」

完成写真撮影の様子
昨年12月の終わりごろ、完成写真撮影の様子です。

ご報告が遅くなりましたが、昨年末に引渡しが無事終わりました。

年始から次の物件準備に慌ただしくなり、写真家さんから届いた完成写真をなかなか整理出来ずにいましたが、重い腰を上げてお披露目いたします。

住まいは「 NOYA 」と命名されました。

自然に恵まれたロケーションにある住まい「野と屋」
離れに納屋を持つ計画「納と家」
大阪のてっぺんの町での暮らしの拠点「能の家」
3点セットで、少々かわいらしく。

この場を借りて、NOYA の工事に携われた施工者の皆様に深くお礼申し上げます。
設計者として、楽しみながら関われる物件に巡り会えました。施主様に感謝です。
これからは、施主様の暮らしが NOYA と共に末長く続くことをただ願うばかり。

完成写真・住まいのご紹介はこちらから。

工事完了。

工事前、今年1月頃の敷地
工事前、今年1月頃の敷地です。計画図・見積もりが終らぬ段階から工務店さんと現地確認をはじめていました。

今年5月終盤に地鎮祭を行ってから約7ヶ月。先日、施主様へ引渡となりました。
施主様と始めてお会いしてからだと、2年を過ぎたところです。

計画・設計では、期限付の申請や浄化槽の設置など始めて経験する事も多くありました。
工事では、少し風変わりな物件を、工務店社長を始め、棟梁・大工さん、職人の皆さんは楽しんで頂けたように見えました。人に恵まれたと、コチラが勝手に思い込んでいるだけかもしれませんが。。。

偶然も重なり、色々なところで巡り合わせを多く感じる物件でした。
無事完成に辿り着きホッとしているところ。皆様に感謝いたします。

基礎工事の様子。
6月は基礎工事。
7月のはじめ上棟後の建物外観。
7月のはじめごろ、棟が上がりました。
屋根工事の様子。手伝い大工の皆さん。
棟上げでは、沢山の大工さんが応援に来ていただきました。
この後、7月の間はほぼほぼ躯体工事。8月前半は断熱気密工事が中心になっていました。
棟梁。
8月中頃から棟梁が中に入り、内装工事に取り掛かり始めています。
夏の間、羽曳野が拠点の棟梁は現場横の倉庫棟にテントを張って寝泊まりしてました。
付帯工事。
10月。大工工事がひと通り済んだ頃から周辺の付帯工事も少しずつ同時並行。
下見に来た左官屋さんが、なぜか手伝いをさせられるハメに?
電気屋さん。
遠いのに、こまめに来られる電気屋さん。
クロス屋さん。
クロス屋さん。塗装や左官のための下地クロスを貼っていただきました。
階段取付けの様子。
階段スチール部材の鉄工屋さんとはお会いしていませんが、気になっています。
工事終盤、棟梁と別の大工さんが手伝いに来てくださいました。
防水屋さん。
丁寧な仕事ぶりの防水屋さん。
社長と大工さん
社長と大工さん。やり取りをこっそり聞いていると、ちょっと面白い。
カーペット屋さん
11月。カーペット屋さん。
ひと息つく大工さん
12月。外構工事も終ってやれやれの大工さん。お疲れさまでした。
社長と電気屋さん。
12月。すっかり寒くなってしまいました。

タイミングが合わず撮れずのままになった職人さんが他にもいます。小さな物件でも、大勢の人が関わりながら出来上がって行くのが、後から見返すと良く分かります。

完成写真の撮影を後日に控えています。今は撮影当日が晴れることを祈るばかり。

仕上工事も終盤です。

1階壁の左官仕上
1階壁の左官工事が終了。ワラスサの入った材料に引きづられてモダンなイメージを壊さんよう、コテコテせんようにしてください。と曖昧な指示をしていましたが、シャープさも残って想像以上にいい感じです。それでいて、近くで見ると質感もシッカリ感じられる味のある壁になりました。

先日ようやく、完了検査を無事終了し肩の荷が下りたところです。
もちろん仕上工事はほぼ終了し、現場はとてもスッキリしてきました。ここまで来ると後は成るように成る、と言ってしまいそうなところですが、気を抜かずもうひと息。
内装の仕上の様子を、前回引き続きご紹介。

浴室扉も左官材仕上
写真は浴室ドア。マイクロセメント系左官材で超薄々コテ仕上げをしてあります。シャワー室などの内装でも使える防水仕上にもなります。
浴室扉のレバーハンドル
コチラは浴室ドアのハンドル錠。防音室に使うような製品ですが、錠自体は浴室外になり水も掛からず、切欠孔も少ないことで選びました。
キッチンは施主様支給です。
計画以前。施主様はすでに、ご友人から不要になった写真のキッチンを譲り受けられていました。という事で、このキッチンありきで間取りは決定しています。
奥でしている社長の作業は、これもまた施主様から預かった古建具をトイレ扉に吊下げるところ。
キッチンの足元目隠し板
キッチンの足元隠しに、杉の足場板を貼ってもらいました。綺麗に納まり過ぎたな〜と感じていたところ、工務店の社長さんがナニヤラカンパニーの製品みたいになってしまいましたね。見透かされてしまいました。ですが自然材。年期が入って渋くなっていくのが楽しみです。
カーペットのフェルト敷き
2階床はほぼ一面カーペット敷き。絨毯(じゅうたん)敷きの床は、独立後に当らなかったので実に20年以上振りです。
壁際など周囲はグリッパーと呼ばれるトゲ付きの縁材に引掛けながら納めます。
カーペット作業の様子
ジョイント部分は裏面で溶着して繋ぎあわせます。仕上がった後、繋ぎ目がほとんど分からないぐらいになっていました。
職人さんがキッカーという道具で絨毯のシワを蹴飛ばしながら張り伸ばす様子は重労働。
張り上がったカーペットの様子
仕上がった床を歩かせてもらいました。う〜んコレは、と〜っても気持ちいい。
夕暮れに浮かぶ1階リビング
夜になると照明でやわらかく中の様子が浮かび上がってきます。ショールームのようになってきました。工務店の社長と共に自画自賛。
ギャラリーのようなリビング壁
床は最終仕上前ですが、間接照明の左官壁がどこかのギャラリーのように見えます。

残すは外構工事があと少し。外は本当に寒くなって来たので早く終らせたいところ。
植栽・ガーデニングは施主様ご自身で徐々にされます。内外共に変化が楽しみな住まいになってきました。

仕上工事の真っ最中です。

外観の様子。

私事インフルエンザに掛かってしまったおかげで仕事が立て込み、しばらく記事も書けずにいましたが、現場は設計者に構わずどんどん進んでいきます。
そんな訳で今回は、似た向きの2〜3週間前の写真と直近の写真を並べてみました。経過の様子も合わせて感じていただけると幸いです。

1階ボード貼りの様子
まず1階の様子。
天井のボードが貼られはじめ、空間サイズが感じられるようになってきました。
1階居間の様子
3週間後。
塗装工事も終り、天井は仕上がっていました。エッグペイントという卵殻が混入された塗料を使用しています。
外周壁は下地壁紙の状態、まだ仕上がっていません。天井と違う仕上げになります。この後の変化が実は楽しみ。
天井高さを掃き出し窓の高さに合わせてあるので、抜け感もなかなか良い具合です。
床にナニヤラ転がっているのは階段の部材です。
2階羽目板の様子
次は2階の様子。
天井と斜め壁に吉野杉の羽目板が貼り終わったところです。
2階寝室の様子
2週間後。
下地壁紙が貼り終って、スッキリしてきました。
この後、1階天井と同じ塗装仕上になります。
凹凸の少ないフラットな塗装仕上は、下地の状態が仕上りに直結します。
ビス跡埋めやボードの継ぎ目などパテ処理が平滑でなければ、塗装下地の壁紙を貼っても案外現れてしまいます。凸凹した仕上は一見豪華に見えますが、塗装にしてもクロスにしても、こっそりごまかしが効く訳です。
往々にしてフラットな仕上がりほど、職人さんとしては避けたいものです。
吹抜け見上げの様子
3週間後。
吹抜けの仕上がった壁を見上げた様子が、なかなか恰好良いです。
階段取付の様子
吹抜けに階段の取付け作業が始まりました。塗装の仕上がった壁に取付けるので、ひときわ慎重です。
吹抜けの中に斜めに配置しているので、位置決めにひと苦労。
段板取付の様子
船底形状になったちょっと変わった形の段板が取りつきます。テーブル天板の材料と加工を利用しています。
階段見下げの様子
残念ながら本日作業はここまで。完成を見るのは次回に持ち越しです。
浴室下地の様子
お風呂場2週間前。
浴室防水の様子
お風呂場の防水施工の様子。ユニットバスでは無くFRP防水による造作浴室です。職人さんは凸凹が少なくなるようグラインダーで長い時間削っていました。
浴室仕上がりの様子
とても平滑な仕上がりになっていました。職人さんの丁寧な仕事が伺われます。
この後、置型浴槽が窓際に座ります。
外部パーゴラ
外部では建物取りつきのパーゴラ設置が行われています。
建物完成までもうひと息!

建物が完成に向かうにつれ、仕上がっていく様子を見る事がついつい楽しみになります。本来の監理業務を怠らないよう、気の引き締めが今は肝心肝心。

地味な下地生活

仕上がりに近づく建物外観
外壁の波板が全周廻って、建物の全景がどことなく見えてきました。

外観が出来上がってくると、周りから見れば工事が進んでいるように見えてしまいます。ですが現場は今こそ要の本番?。

「地味な下地生活」と冗談めかしたタイトルを書きましたが、仕上工事に入る前、下地工事や配管・配線の設備工事がシッカリと出来ていないと、後々に大変な事につながります。後から、こうしておきたかったのに〜〜〜と、ダダを捏ねても下地が無ければどうしようも無く、代替案を画策することシバシバ。

各業者さんは現場と図面を何度も見返し、抜けが無いかチェックします。現場で一番気を使うのは、仕上工事の段階でなく今この時かもしれません。コチラも出来上がって行くに従い、仕上りの事に気がいってしまいます。同時に下地のことがついつい頭から離れていきます。
どうしたことか、施主様に散々言われていた要望がスッカリ抜け落ちていた!と後に気がついた時。。。もう〜冷や汗もの、時空を遡ります。

さらに現代の断熱住宅は気密や防湿が大事、後からむやみに壁に穴も空けづらくなります。住み手から見れば自宅なのに賃貸マンションに移ってきたようなもの。DIY好きな人は要注意です。

コチラもそんなハプニングはコリゴリ。血眼になって現場を見ているつもりが、出来上がっていく現場を目の前にすると、やっぱり仕上りの事ばかりに目がくらむのでした。

1階内装下地の様子
1階の天井下地も終っており、部屋のサイズ感も出てきました。天井高さはサッシ合わせでちょっと低めの 2.2 メートル。
2階内装下地の様子
2階の下地の様子。奥に見えるのは洗面スペースと浴室になります。
浴室配管
2階浴室下の配管の様子です。
出来上がれば分からないことですが、間仕切りの少ない住まいなので配管計画の整理は結構悩みどころでした。
電気配線と換気ダクト
上の並びはリモコン
下の並びは照明スイッチ
ニョロニョロしているのは24時間換気扇のダクトです。
図面を見つめる大工さん
大工さんが図面を確認しています。気になるところがあれば都度確認してくれるので、とても安心。
棚下地
下地のひとつが台形になっています。斜め壁に取りつく棚板の下地ですが、丁寧な仕事の様子が良く分かります。
シール打ちをする社長
工務店社長の後ろ姿。シール業者に頼めば綺麗で早いのだけど、細かな気遣いが説明しきれないからと、納得できるよう自ら施工中。
シール前のマスキング
波板とサッシのシール取合部分。波型のマスキングは社長渾身の一作。見栄えもありますが、樹脂サッシは水切り形状になっていないので、こうした工夫はとてもありがたいです。
はめ殺し窓周りの様子
はめ殺しの窓枠の下地が出来ていました。仕上がると、まるでガラスだけのように見える筈?。
床下エアコン通気口
掃き出し窓際の床通気口。床下エアコンを採用しているので、床下を通って暖気が抜けていきます。
材料運び込み
新たな材料が搬入されてきました。徐々に徐々に仕上がりに向かっています。

断熱気密で大事なこと

外壁材が貼られてきましたが、それは次回以降でご紹介。

計画場所は関西でも山間になり、【 住宅の省エネルギー基準 】の地域区分で見れば5地域に当ります。関西では大阪湾・瀬戸内に面する平野部は概ね6地域となり、それに比べると冬は寒い場所と思って差し支えありません。なので、普段よりも断熱はシッカリ目。

今は温暖化・低炭素などのキーワードから時勢だけでなく、建築法規上でも省エネ・断熱への比重が大きくなっています。建築現場に出始めた30年前からすれば、考えられないほど断熱材を沢山使うようになりました。その頃は正直に無頓着でしたが、今は断熱にまつわる気密・結露と言った情報が嫌と言うほど世間を飛び交っています。
振り回されているのは、建築主さえだけでなく設計者もです。残念ながらしばらくは、ひたすら断熱に立ち向かう日々となりそう。

それはそれとして、今回の建物は法令上の基準値を充分に超え、【 HERT20 】提唱基準のG2グレードにやや届かず概ね適合、と言った断熱性能になりました。現時点ひとつの目安とすれば、設計上は結構いい線。と思っています。

気密断熱で大事なこと、工務店さん大工さんが断熱気密を理解・意識して、この後どこまで丁寧に工事していただけるかです。設計上の数値がいくら良くても工事が雑になれば、実際が目標数値に決して届きません。

あえて言えば、設計上の断熱性能が特別に高くなくても、丁寧な断熱気密工事が出来れば、設計以上の断熱効果に結びつくのだろうと正直思うようにもなりました。現場に来られた大工さん達は、他の工事現場でハウスメーカーを含めた高気密高断熱住宅にも携われた様子でした。イロイロな現場の話を伺うと、そこからメーカーや設計者が試行錯誤している様も感じられます。

*【 住宅の省エネルギー基準 】一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター
*【 HERT20 】一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会

外壁は間柱間に高性能グラスウール120ミリを充填しています。外側には前の記事で紹介のフェノールフォーム30ミリが付加断熱材としてプラスアルファされた2層断熱となっています。
上に見える屋根下の梁間が断熱材で埋まります。
天井と斜め壁のところは、吹込みのグラスウールです。天井は300ミリ、斜め壁は210ミリの吹込みを行っています。
緑のビニールシートは防湿気密シート。気密は構造パネルのところで基本は終えていますので、防湿が主な目的になります。結果的には2重気密と言った具合に近いかもしれませんが。。。
断熱材を入れる前。欠損埋めの様子です。
サッシ廻りも隙間無く。
基礎廻りは防蟻タイプのポリスチレンフォーム60ミリ、隙間隙間も奇麗に閉じて頂いています。
気密検査の装置。開口のひとつを使いラッパから室内空気を外に送り室内を負圧にします。そうすると、サッシの隙間などからスキ間風を感じます。

気密工事が終ったところで、施主様立会の気密検査を行いました。通常 1.0 以下であれば合格ライン。
結果はC値 0.2 。1平方mあたり 0.2 平方cm の隙間と言う数値です。今回の家全体に換算すると おおよそ 19平方cm 相当になるそうです。
検査係の方から、ほぼ引違いサッシの隙間ぐらいでしょう。年に数件の気密の良い家ですよ。と言われ、驚きと安心のひと幕となりました。丁寧な工事のお陰です。

なにより静かですね〜、防音室みたい。と施主様は驚かれていました。

外壁の下地工事

外壁下地の終った全景
近畿縦断の台風7号が通り過ぎました。現場は無事でひと安心。
大きめの窓にガラスや障子がまだ入っていなかったので、中からベニヤで押え、外にはブルーシートがしっかり掛けられていました。

外壁の下地とひとくちに言ってもイロイロなものがあり、実は、家の寿命や基本性能を左右するところがイロイロあります。
外壁にしても屋根にしても、まずは雨風から暮らしを守る必要があります。断熱性能やらとかく言われる昨今ですが、なにより家が長持ちしてほしい。単純な話です。
仕上材はピンキリありますが、高価な仕上をしても下地の材料や施工が悪ければ家は長持ちしません。

前回記事と同じ事を書いてしまいます。見えないところにお金を掛けるのは、良い事といくら分かっていても実践するのはなかなか難しいものです。
毎回設計をさせて頂く度、そんなことをアレコレ悩みはじめると、本を開いてネットをうろついて一向に仕事が進みません。

構造パネルと断熱材用の桟木
時間を遡って外壁耐力壁の様子です。
外壁の構造面はMDFと言う木質パネルです。川べりなのでシロアリを心配する工務店さんの話を受け、予め防蟻処理れているシロアリ対策タイプを全面に採用しています。また、このパネルは一般的な構造合板等に比べると透湿性能が高く、内部結露の抑制に働きます。
白いテープはパネル同士の継ぎ目を塞いで気密性を高める工法のひとつ。桟木に隠れていますが、タテ方向にも同じようにテープが貼られています。
外張り付加断熱材
タテ桟木の間にはめ込まれているのは、フェノール系の断熱ボード。
外壁の断熱方法は軸組間グラスウール充填+外張り付加断熱となっています。
断熱材の上から、透湿防水シートが貼られた様子です。
住宅寿命の長いドイツ製。ふだん見慣れたシートより厚みも感じシッカリした印象です。黒いシートが昔のアスファルト防水紙のように見えますが、全く別物。
シート上に井桁に組まれた桟木は外壁仕上材の下地になります。

廻りが緑に囲まれているので、海外で仕事をしているような錯覚がしてきます。意味もなくテンションが上がってきます。海外製品を使うのは違った意味で悪くないですね。
窓廻り。防水シートメーカーの商品を使っています。
なにかとよく考えられている気がします。テープ類もメッチャ伸びてシッカリ着いて、施工された工務店さんも安心感が髙いと話をされていました。
余談ですが、同メーカーのウレタンフォームを使っている様子です。
断熱や気密の補完、隙間埋めとして使用されます。吹き出し量の調整ができる専用ガンを使っているので、今まで現場で見ていたスプレー缶のウレタンフォームよりも無駄も少なく、使い勝手が良さそうに見えました。
アイスクリームではありません。上棟時の写真。
軸組金物の外部側露出部分に熱橋対策として施されたウレタンフォームです。固まったら真っ直ぐ切り落とします。今回は外張り断熱材が囲いますが、無い場合は特に、こうした箇所に気を使っておくのが断熱性能上に大事なところです。

高価な製品や材料を使う事が必ずしも良い訳ではありませんが、適材適所に良く考えられた製品を吟味して使うと、現場も良い仕事に繋がって行くような気がします。
意識せず何気なく使っていたものを振り返ることは、時間が掛かりますが大事です。

屋根工事が終りました。

野地板
2枚目野地板。前回現場の様子です。見るからに暑そうですね。

屋根の野地板が形になれば、いよいよ防水仕舞と仕上です。

写真の通り勾配が緩いので、慎重に2層の防水仕舞としました。
1枚目。緩勾配用のゴムアスファルトルーフィング。
2枚目。温度差激しい板金屋根環境でも経年劣化しにくいと言われる防水シート。
実のところ、屋根防水シートのセレクトは悩みます。外壁の防水シートも同じく悩みます。一体どの製品が良いのか。ひとつメーカーでもランクがあり、一体どの辺りが妥当なのか? 良さそうなものを選んで行けば見えないところにドンドン予算が膨らみます。施主様にお伺いして決めることも難しく、ひとり考え始めたらどこまでもキリがありません。。。
工務店の社長は勉強熱心で、見積もり中から一緒にアレコレ悩んでいただきました。

仕上はガルバリウム鋼板タテハゼ葺き。緩勾配に向き、最近の住宅建築には一般的によく見られる工法です。

ルーフィング
1枚目ゴムアスファルトルーフィングがすでに貼り終わり、2枚目シートに掛かるところ。ルーフィングは粘着タイプでピッタリ張り付いています。奇麗に見えますが、施工時は暑さでエラいことになっていたようです。。。
屋根防水シート
2枚目の防水シートを貼り終え、チェックに廻っている工務店社長。青いポッチは専用留具です。
海外製品なので一面の英語表記。どことなく良さそうにも思えてしまうミーハーな私です。社長は社長で、なんだかテンション上がりますね〜。これまたミーハーなお言葉。
外壁面の屋根防水シート
斜め壁も仕上は屋根と同じなので、2枚目と同じシートを貼っています。コチラは勾配が充分なので通常通り1枚貼り。
通気金物
棟に取付けている通気金物。屋根面の熱気が抜けて行きます。通気口の中に折り返しがあり、何気なく水が入りにくい構造になっています。
一般的に多いのは屋根上側に排気するタイプです。積雪を考えると機能しない可能性もあり、且つ緩い勾配で漏水の心配が増えます。設計最後にコチラの製品を見つけ採用しました。

ここまで来ると、いよいよ板金屋さんの出番です。
ガルバリウムの屋根
と、次の週。屋根がスッカリ出来上がっていました。
板金屋さんの勇姿が撮れずに残念。ずっと好天気なので、サンサン降り注ぐ逃げ場のない屋根作業だった筈です。ご苦労さまでした。
屋根妻側。唐草
屋根板金下の折り返し部分を「唐草」と呼びます。棟側唐草の中に通気金物が納まっているので、ずいぶんスッキリ納まりました。
もし強風に煽られて雨が浸入したとしても、通気層側の防水シートで建物は覆われているので、ほぼほぼ奇麗に外部に排出されていくはず。また、工務店さんがとても丁寧に仕舞をされているのを見ているので、見た目以上に安心しています。
建物全景
この日は強風だったので、足場廻りのシートが畳まれました。お陰で、建物全景をパシャ。

怪しげに見える外壁については次回にも。。。

屋根の垂木組み

建物の骨組み全体
まず改めて、建物の骨組み全体の様子です。

上棟で躯体が立ち上ると、順を追って屋根の仕舞に掛かります。屋根防水まで進めば、急な雨が降っても現場としてはひとまず安心。少しでも早めに終らせたいところ。
この建設地は大阪府内ですが、山の中なので多少は積雪のことも考慮して置く事が必要でした。軒先に出る垂木(たるき)サイズも余裕を持って決めてあります。
としたものの、今世紀は大雪になることがあるのでしょうか? 年々、冬の寒さ対策よりも夏の暑さ対策。と感じるばかりです。

垂木組
構造面となる1枚目の野地板上に垂木組を進めています。
今回は垂木組と言うよりも、野地板上なので垂木載せと言った方がよいのかな。
突き出した垂木が手前でよりも細かなピッチになのは、屋根板金のピッチ合わせから。突き出した垂木は、軒裏ではそのまま化粧で見える形になります。
妻側の垂木組
コチラは妻側の垂木掛けの様子。両側面はこんな具合です。
垂木サイズがそのまま屋根の通気層。なお屋根通気層の適正は30ミリぐらい。今回は納まり上そのまま使いましたが、残念ながら大きくても効果は余り変わらないそうです。
ななめ壁の垂木
斜めになった壁側、コチラも最終的には屋根と同じ板金を貼ります。
破風板
両端の破風板。大工さんが奇麗に納めてくれました。
屋根上からの様子
野地板貼り。先端が違った色のところは木毛セメント板を突き出た垂木と併せて、軒裏ではそのまま化粧で現れます。
今回のような野地板を2枚張り垂木間を通気層とする工法を「2重野地」と呼んだりします。

それにしても、屋根上から見る風景は四方とも素晴らしいです。
が、今年の夏は本当に暑い。大工さん毎日ご苦労様です。
軒裏
そして、仕上がってきた軒裏はこんな感じに見えています。

この後の屋根工事は、防水シート、屋根板金へ進んで行きます。

棟上げが終りました。

6月中ごろ、基礎コンクリート打設前の様子

地鎮祭からひと月、ブログ記事が間に合わないまま6月末に棟上げ。7月始めには上棟式が無事済みました。梅雨が明け、暑い日(暑すぎる日)が毎日続いています。
今回は8月に入る前に、棟上げまでのハイライト。
この後は、現場の工程に追いつくまで駆け足気味で記事をアップしたいと思います。

6月末ごろ棟上げには、棟梁の大工さん仲間が手伝いに来ていただきました。お隣の方にクレーンの据え場所をお借りしました。皆様ありがとうございました。
梅雨明け前でしたが、この日は天気に恵まれました。手際よく進んでいます。
棟上げの様子を見るのは、いつになってもドキドキワクワクします。
2階外壁の一部が斜めになっています。
2重野地通気のスタイル。構造面となる1枚目の野地板に防風シート貼りの様子です。この上に垂木を載せて、屋根面を構成します。
7月はじめ上棟式の日、棟梁が御幣を取付けている様子です。
施主様、おめでとうございました。

地鎮祭「エイ、エイ、エイ!」の意

盛砂
きれいな盛砂は、用意した工務店さんの気持ちを表しているようにも見えます。

先日、地鎮祭を行いました。
心地よい晴れた日に恵まれ、野山に神主さんの祝詞が響きます。
地鎮際の式の進みは概ね決まりがありますが、神主様それぞれで微妙な差異があります。黙々と進める方もいれば、音楽を掛けて盛り上がりを作る方。手際を比べるは面白いものです。今回の神主様はひとつひとつの所作の手順や所以を丁寧にお話し頂くのが印象的でした。

地鎮祭の終盤。盛砂に鎮物(シズメモノ)を納める「地鎮の儀」というクライマックスがあります。

1「 苅始めの儀 」かりぞめのぎ
設計士が鎌(カマ)を持ってエイ、エイ、エイ!と草を刈ります。

2「 穿初めの儀 」うがちぞめのぎ
施主様が鋤(スキ)を持ってエイ、エイ、エイ!穴を掘ります。

3「 鎮物埋納の儀 」しずめものまいのうのぎ
神主様がものものしく穴の中へ鎮物を納めます。

4「 鋤取の儀 」すきとりのぎ
工務店が鍬(クワ)を持ってエイ、エイ、エイ!穴を埋めて終わります。

懐かしく思い出される施主様も多いことでしょう。
地鎮祭に立つはじめの頃、エイ、エイ、エイ!の掛け声が上ずったり、どことなく気恥ずかしいものでした。ですが、今回の神主様から「エイ」は「栄」の意味があるのです。と教えていただきました。
ナント!先に教えてくださいよ、もっと元気にエイ、エイ、エイ!と思いを込めて叫んでいたのに。これまでのエイ、エイ、エイ!をつい想い返します。

また最後に、神主さんに導かれながら施主様は塩・酒・米を四方に蒔きます。この時、左・右・左の順で蒔くのだそうです。今まで適当に蒔いてました。

いつまでも勉強にもなりながら、気持ちよいスタートです。